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「無能集団」にならないために

Rewrite:2014年3月28日(金)

経営者の口から、部下への不満が出ることは珍しいことではない。それもそのはずで組織には「ピーターの法則」というものが作用している。その法則とはきわめてシンプルで次のようなものだ。

◇階層社会にあっては、その構成員はそれぞれ無能のレベルに達する傾向がある

たとえば、営業社員として大変良い仕事をしたので彼を課長にした。すると期待に応えてくれたので今度は部長にした。するといつしか「並」の部長になり、やがて高齢化とともにお荷物のような存在になっていく、というわけだ。人は出世するにつれてかならず無能レベルに到達する。

この法則には、「系」と呼ばれるものが二つある。

◇系1・・・時がたつに従って、階層社会のすべてのポストは、その責任を全うしえない従業員によって占められるようになる傾向がある。

◇系2・・・仕事は、まだ無能のレベルに達していない従業員によって遂行される。

会社の寿命が永遠でない理由もここにある。
製品やサービスには当然のことながら栄枯盛衰がつきものだ。製品ライフサイクル理論からいっても、導入期から成長期、成熟期、衰退期という変化がある。企業も初期の成長段階においては社員も若く、マーケットの成長期に乗って会社は大きくなっていった。みんな若くて伸び盛りだったのだ。
しかし、やがてマーケットは縮小し始め、景気も右肩上がりとはいかなくなった。本来、そうした変化に対応すべき組織の構成員、とくに幹部社員が無能化していると適切な対応策が打ち出せず、巨人が倒れるように会社が倒産または買収される側にまわる。

こうしたメカニズムを未然に予防する方法はないのか?あるいは、そうなってしまった組織を再生する方法はないのか?

唯一の正解とよべるような解決策はないが、基本的には人材の流動化を促し、たえず活性化することが一番の処方箋だろう。そのために組織や人事の改革を定期的に行って、水がくさらないようにかき回し続けるのである。