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新卒をとる

「社長、こう言ってはなんだが、もっと三国志や水滸伝を読んで、リーダーの人心掌握のあり方を勉強したほうが良い」と捨てゼリフを残し、第一号社員は会社を辞めた。

第二号社員は、採用が決まってから一週間、毎朝遅刻するので注意したら、「5分や10分のことで朝からガミガミ言われたくない。僕は、昨日もおとといも残業しているじゃないですか。残業時間から遅刻の分数を差し引けば良いでしょ!」と、手にしていた競馬新聞を机にたたきつけながら逆ギレした。

その日の昼の休憩から、彼は会社に戻ることはなかった。
彼は勤務中にも競馬サイトをチェックしていたのを社長は知っていたが、気分良く働いてもらうために、注意せずにいたのに・・・。

この社長は当時、「社員が宝ものだと思える日が本当に来るのだろうか?」と思ったそうだ。

あれから8年、この社長の会社は株式公開企業となり隆盛を誇っている。

そして今、こう語る。
「社員はまちがいなく会社の宝もの、財産です。寸分も揺るがず、そうやって言い切れます。でも正直いって、そう言えるようになったのは、2年前くらいからです」とも。

人は人を知る。類は友を呼ぶ。逆も真なり。釈迦やキリストに石を投げる者がいたように、異質な次元にいる人間に対しては、人は評価を見誤る。

別の会社のT社長は、「採用が好きなんだ。要員計画に基づいて人を集めているのではなくて、新卒か中途かを問わず、人材マニアであるかのように優秀な人をかき集めるのが僕の仕事なんだ」と笑いながら語る。

優秀な人材は初年度から業績貢献する。新卒といえども全国のトップクラスの人材は恐るべし。入社して2~3年もしたら、10年生社員を追い抜く。まちがいなく会社全体の推進役になる。

定期採用はいつ始めるか。
必要だな、と思ったらすぐに取りかかるがよい。
なぜなら、最初の年からトップ水準がとれるとは限らない。むしろ、こちら側の経験不足のために、「並以下水準」を「上」と勘違いしてしまうことだって少なくない。そうした試行錯誤に時間がかかる。だから、早めに着手した方がよい。

適性検査、作文、筆記試験などをクリアしたら、技術系の社員であれば、作品見本をみれば技術水準がすぐ見抜ける。

営業系社員であれば、実技試験と称して研修所に候補者を集める。そして、チーム対抗で営業の想定問題を解くというなケーススタディを与えれば、ある程度のセンスやコミュニケーション力が見抜ける。

新卒学生を定期採用するということを特別なことのように思ってはならない。ごく普通のことだし、事実、学生は集まる。もし学生が集まってこないとしたら、お客も集まってきていないはずだ。

また、新卒の定期採用を決断するまえに、”世間並み企業”の諸条件を整備してからにしようと思っても、うまくいかない。

たとえば、
・就業規則や賃金規定をつくってから
・社会保険完備にしてから
・先輩社員をある程度教育してから
・パソコンや机など、仕事環境を整備してから
・人件費予算を組んでから
・もっと儲かるようになってから
・・・etc.

むしろ逆だ。”世間並み企業”をつくるために、新卒をとるのだ。

今すぐコストの値打ちな新卒採用応援会社をみつけ、担当者を呼んで相談しよう。すぐに申し込みして、それから逆算でこうした諸条件を整えていけばよいのだ。