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集客に困らない

売上げを上げたければ、新規客の獲得策も大切だが、今日のお客がずっとこれからもお客であり続けてもらうための手だてを考えねばならない。
リピート率が向上し、常連化したお客からは客単価の向上が期待できる他、新規客の紹介を依頼することだってずいぶん容易になる。

リピート率を上げるためにはどうするか?

名古屋のエステサロン「A」は、開業以来数年たった今も高人気を保持し、間もなく支店を新たに開設するほど調子が良いらしい。かなり大きなお店なのに、予約をせずに行くと相当待たされると聞いた。
正統的な(普通の)エステなのに、なぜはこのお店は高いリピート率を誇っているのか。気になったので、私もそのお店に行ってきた。


名古屋の歓楽街にある高級クラブ「B」は、バブル絶頂期も今も、ほとんど変わらない繁盛ぶりを誇っている。やっぱりここも常連客がしっかりと根づいているのだが、その裏側にある企業努力は並大抵のものではない。それってどんな企業努力なのだろう?

東京都内で複数のトレーニングジムを経営する「C」は、会員の施設利用率の向上が重要なポイントであると考え、それはトレーニング機器の稼働率に表れると判断。機器稼働率向上のためにいくつかの知恵をしぼった。その結果、会員の来店頻度は上がり、機器の稼働率も向上した。このジムは何をしたのだろう?

最後に、これらのお話しを東京非凡会の加賀屋幹事にお話ししたところ、さっそくエステサロン「A」のシステムを異業種交流会「非凡会」にあてはめて運用した。
すると、7月の非凡会開催終了時点ですでに次回(10月)の非凡会定員の90%を確保してしまった。その集客策とは?

今日はエステサロン「A」の話をしよう。

このサロンが人気だということは複数の人から聞いていた。時間帯によっては男性も半数くらいになるらしいが、女性客中心のエステだ。
施術士も当然女性ばかりだ。私が予約なしで飛び込んだときには、待合い所には、女性一人、男性三人が待っていた。

他のエステをほとんど知らないのでサービスの内容については比較できないが、ここのサービスが普通でないことはすぐにわかった。
まず足つぼ指圧を受けているの会話からすでにリサーチが始まっているのだ。何気ない世間話をしているなかから、私の名前や仕事、役職や、住所などの情報を上手に聞き出す。趣味の読書や映画の話まで調子にのって話しまくった。施術が上等なだけでなく、お客をしゃべらせて上機嫌にするテクニックがよく訓練されている。

それだけではない。

サービスを受けた後の中国茶を楽しんでいると、担当の山田さん(仮)がアンケート用紙と予約ノートをもって表れる。今日のサービスについてのアンケートは山田さんに手渡しすると本当のことが書けないからと、持参した木箱に投函するようになっていた。これは一日一回、社長が巡回したときに持ち帰るらしい。

アンケートの記入が終わると、山田さんがこう言う。

山田:「武沢様、今日はありがとうございました。最後にあと一つだけよろしいですか?」
武沢:「はい、いいですよ」
山:「次回はいつ頃にお越しになれそうでしょうか。ご予約いただけるとうれしいのですが」
武:「う~ん、予約ですか。実はこの1~2週間はほとんど名古屋にいないので8月のお盆過ぎにまたふらっと来ますよ。山田さんはいつもみえるのでしょ?」
山:「定休日の日曜をのぞいていつもいます。ただ私も施術時間が結構多いですし、お待たせするのも申し訳ないので今日ご予約していかれれば、今日のお値段の25%割引になるのですよ。結構、大きい割引なのでせっかくならお値打ち価格で利用いただきたいので、だいたいの日時だけでもわかりませんか?」
武:「そうだよねぇ、(手帳を見ながら)8月18日か19日の午後でしたら来られそうです」
山:「午後は何時くらいですか?」
武:「18日の午後2時でどうでしょう」

ある程度以上の満足感があるなかで、次回の予約を入れることに抵抗はない。
ましてやこのお店のように、来店時に次回予約入れると25%引きになり、普通の電話予約だと15%引き、予約なしでの訪問は定価となるのであれば、予約する動機づけが高くなる。

もし予定が変われば、電話一本で予約の変更も可能だ。その結果、訪問した人の多くがリピートを約束して帰ることになる。

リサーチのつもりで入ったこのお店、結局私はすでに3回通い、お盆過ぎに四回目の訪問をする予定だ。気づいたら私自身がすでに常連客になっていたのだ。

東京非凡会の幹事、加賀屋さんもこれと同じシステムを採用。7月の第一回非凡会に来てくれた人が、その場で次回の予約をして帰ると、4,500円の参加費が幾らか割引になる。しかも単純に安いからという理由だけで予約するほどお客は甘くない。
次回の「非凡会」のメニューや魅力を充分に語った上での特別価格提示なので、予定が詰まっている人をのぞいては多くの方が予約して帰ることになる。

更に加賀屋さんはこれから、事前入金の方に対する割引きだとか、紹介客に対する特典だとかも検討しているらしい。集客に困らないための知恵は結構無限にあるものだ。

明日はクラブ「B」とジム「C」についてお話ししようかと思うが、この両店については人から聞いた話なので、やや不正確な表現になるかも知れないと危惧している。