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メンタル満濃池 強靱化計画をつくろう

空海が 47歳のとき、郷里の讃岐から満濃池(まんのういけ)の修復工事の依頼がきた。「どうして空海さんに土木工事の依頼?」と思う方も多かろうが、遣唐使の一員として唐にわたった空海は、密教だけでなく様々な先端知識や技術を学んで帰国した。当然、最新土木技術についても学んできたのだろう。「築池別当」という肩書きで満濃池の工事を陣頭指揮し、三ヶ月でやり終えている。

当時の満濃池はひんぱんに決壊した。決壊すると大量の水があふれ出し下流域で暮らすひとたちを水浸しにした。人命を奪うこともしばしばだった。かといって、この溜め池がなければ雨の少ない讃岐では農作業ができないばかりか、生活用水にも困った。

空海は満濃池をアーチ形状にし、水圧を分散させた。そうすることで満水になっても決壊しないようにしたのである。それによって満濃池は二度と決壊しなくなった、といいたいとろこだが、それ以後も実はしばしば決壊している。それでも今日にいたるまで満濃池の形状は空海が考案したアーチ型のままである。つまり、空海のアイデアがいまも踏襲されているのだ。

★満濃池
http://www.jcca.or.jp/dobokuisan/japan/shikoku/manou.html

私はこの空海の築池談を聞くたびに「心の満濃池」「財布の満濃池」「財務の満濃池」を連想する。

心の器が小さいとすぐに決壊する。激怒したり、激しく沈んだりするわけだ。財布の満濃池が小さいとすぐに使ってしまうし、全然入ってこなくなる。財務の満濃池が小さいと、資金が全然増えないし出入りが激しくなり、やがて枯渇する。

日本には「国土強靱化基本計画」がある。あなたも「メンタル満濃池強靱化計画」をつくろう。空海になったつもりで二度と決壊しない最強の池に変えてみせようではないか。

まずは池のサイズを大きくしよう。そうすれば、お金も愛情も、ゆとりも、満々と貯められる。池のサイズを大きくするためには、深く掘らねばならない。深くすることを考えていけば、おのずと大きくなる。深くするとは、思いを深くすることだ。思いを深くするということは、杭打ち機の原理を使って、間断なく一定の力を加えつづけることだ。来る日も来る日も飽きることなく力を加えるのだ。