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続・緊張すること、あがること

まずは愛媛県の女性読者から届いたメールのご紹介から。

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緊張することとあがることを分けて考えるところは、武沢さんならではですね。ところで先日私は、大学一年になった長女とある会合に参加しました。ほとんどが初対面の人ばかりなのに、娘がまったく普段通りにおちついて自己紹介していました。その後に自己紹介した母親の私の方があがってしまってしどろもどろになり、娘にあとから「何やってるのお母さん。」って言われちゃいました。娘の方が場なれしているのか、それとも社交的な父親に似たのでしょうか。
(後略)
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先天的に緊張するとか、あがるという状態にならない人がいるのは事実のようだ。うらやましく思うこともあるが、それがすなわち素晴しいことだとは思えない。
緊張やあがりを経験し、克服していった人の方が話しは上手になる。
コンプレックスを克服しようとする懸命な努力が人を成長させることは多いと思うのだ。


さて昨日号では、緊張するということは武者震いのようなもので、良い仕事をするために全身が臨戦体制に入ったシグナルのようなものだとお伝えした。
むしろある程度の緊張は必要であって、緊張ゼロではかえって問題だというお話しもした。
今日は、あがるということと、その克服策について考えよう。

あがるとは相手にのまれて自分を見失い、本来の力が発揮できない状態をさす。あがる時はどんなときか、そしてその対策は。

1.緊張の度が過ぎたとき

  極端に緊張しすぎてしまうと自分を見失う。これは場数をふむことや、ある程度のテクニックでかなり解消できる。たとえば、
  ・ゆっくり壇上まで歩く
  ・黒板に大きくゆっくり自分の名前を書く
  ・質問する
  ・簡単な自己紹介を場内の全員でしてもらい会場の緊張感を解く
   (50人までならこの手法使える)
  その他、日本話し方センターさんでは話し方だけでなく、こうした克服法も専門的に指導されている。

  日本話し方センター http://www.ohanashi.co.jp/ 
  
2.自意識過剰なとき

普段どおりの自分を見てもらい、聞いてもらってわずか一個でも聞き手にとって役にたつ情報や知識が提供できればうれしい、と願っている話し手は、そんなにあがらないはずだ。過度な期待と自分にしてはいけない。
聴衆から尊敬されたい、すごいと思われたい、評価されたい、カッコイイと思われたいなどの意識が強すぎるとあがりやすい。
聴衆もある程度緊張しているので、話し手がのぞむようなリアクションをストレートに返してくれないからだ。すごい内容だと心の中では感動して聞いてくれているので、話し手にとっては、全然通じていない、いわゆる「すべった」と感じてしまうことは多いのだ。そんな時、自意識過剰な人はあがってしまう。

3.ポイントがつかめないとき
  
  聞き手のニーズと話し手が話したいこととが噛み合っていないと場内の空気が乱れる。居眠り者や退席者が続出したりする。
  これは事前の打ち合わせが不十分な時に起こりがち。
  ・この会の目的は何か
  ・聴衆は誰か
  ・聴衆が抱えている問題意識は何か
  ・講演を聴くことで聴衆からどのような具体的感想を引き出したいか
 
  これらが主催者と講師とですり合わされ、準備された講演だとポイントがぼけないし講師も自信に満ちて演題に立つことができる。
  
  もし仮に、老若男女、いろんな立場の人がいろんな動機で参加するような講演会があったとすれば、空気が荒れて講師はやりにくいことこの上ないだろう。

さてソフトブレーンの宋会長のお誘いで実現したこのジョイント講演だが、第三部・ソフトブレーンサービスの工藤社長の講演は営業改革に関する実例が豊富で、非常に中味の濃い講演をされた。
営業を変えたいとお考えの方は、ぜひとも機会を作って講演を聴きに行かれるとよいと思う。
http://www.esm-ms.jp/