未分類

西によいパパ

メロディに合わせて

・西によいパパ パパパヤ~
・今金中夕(こんきんちゅうゆう)、今金中夕
・行かな行かないかん

などユニークなテレビCMを流し、中部地区で知らない人がいないのがアサヒドーカメラ(愛知県名古屋市、後藤寿美社長)である。カメラの安売り店からスタートし、今ではパソコンや携帯電話など品揃えを拡充して店数も増えてきた。

普通の街のカメラ屋が、カメラの安さをアピールするために打ち出したのがユニークなテレビ宣伝である。

ある日、テレビを見ているとこんなCMが突然流れ出した。

「店員は無愛想だがカメラは安い、アサヒドーカメラ」

画面に登場する店員たちは、本当にしかめっ面で無愛想というよりは怖いヤンキーという感じ。あえて店員の無愛想さを強調して、そのかわりカメラは安いよ、と訴求しているようだった。

後日、カメラを買うときになって私が真っ先に思い出したのは、このアサヒドーカメラだった。始めて訪れるアサヒドーカメラ。どの程度の無愛想ぶりなのかと気になる。

店内に入った。人だらけだ。おそるおそる希望メーカーのカメラの場所を聞くと、

「こんにちは、ミノルタのカメラはこちらにコーナーがあります」と意外に愛想が良く案内までしてくれた。ちょっと拍子抜けするくらい気持ちが良いのだ。他の店員さんも同じようにキビキビと明るく働いている。しかも値段は充分安かった。

「やられた!」とその時気づいた。

店員の無愛想さをしっかり強調しておくと、お客は予想外に良い対応に感動する。カメラの安さを土台にして、店員さんの明るい対応によって、ちょっとしたサプライズ効果が加わるのだ。

「西によいパパ」とは242-4188つまり同社の電話番号だ。お店の電話番号をコマーシャルソングにしてしまい、お客の意識にすりこませる。

「今金中夕」とは、今週の金曜日、中日新聞の夕刊を見ろというコマーシャルだ。その日の夕刊をみるとアサヒドーカメラの広告が入っているしかけだ。

このようにして、あっという間に知名度とブランドを獲得した同社は、今でも売上げの一定比率を広告宣伝費に投じることにしている。
しかも複数の広告代理店から広告企画を集め、社員も企画に参加して「次はなにをやらかしてくれるのか」という消費者の期待に応え続けている。

同社の広告宣伝戦略に学ぶことは多い。

アサヒドーカメラ http://www.asahidocamera.com/