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最小限が最大限に

人気ラーメン屋の新人アルバイトA君の話。

A君が初出勤の日、嵐のようなランチタイム混雑が終わった。ピーク時には外に行列が20人もいたが、今では店内カウンター12席のうち半分しかお客がいなくなった。

ほっと一息ついたA君に対し、店長から皿洗いを命じられた。「はい、了解しました」と元気よく洗いものを始めたA君。
店内外の様子や他のスタッフの仕事ぶりをチラチラみながら洗いものをしていると、店長から罵声が飛んだ。
「チンタラ洗ってるんじゃない。全力かつ大急ぎで洗え!」

しばらくしてA君は、休憩のときに店長からこんな説明を聞いた。

「忙しさの状況にあわせて仕事をするんじゃない。そんな高等判断をアルバイトに求めていない。君に要求したいことはただひとつ。いつも全身全霊で目の前の仕事に集中すること。さっきの君の皿洗いは、他ごとを考えながらやっているようで、何一つ真剣さが伝わってこなかった」

A君は店長に謝りながらも、思いきって質問してみた。

「店長、もし全力で皿洗いして洗うものがなくなったとき、かえってヒマになるのじゃありませんか?僕だけヒマになるのがいやだったので、無意識に時間調整したのかもしれません」

すると店長は意外な言葉を返してきた。
「君をヒマにしないのが私の仕事だ。もし本当にヒマになれば、休憩という指示を出す。大切なことは、ダラダラした仕事ぶりを体にしみこませないことなんだ。しみこんじゃうと、本当に忙しくなったとき、最高速に戻すのが大変なんだ。焼きが回ると鈍るんだよ。だから普段から最高速で仕事をして、少しでもたくさんの仕事をこなすことが君自身の未来のためなんだ」

「今日の言葉」でマイヤー氏が指摘したとおり、必要最小限のことしかやっていないと、それがその人ができる本当の最大限になってしまう。
かつて京セラでは、不景気で工場がヒマになると、工員の半分に草刈りなどさせて、残った半分の社員が全力で仕事をしていたという。

時間を決めて、その中で全力こめて仕事をしよう。