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空き時間の過ごし方

社用車のBMW545を操りながら「うちのやつらスゲェと思いますよ」と小田は言う。彼は、広島にあるWEB制作と企画会社のカンドウコーポレーションの副社長だ。この会社のエピソードは今年9月に三話連続でお届けしたのでご記憶の方も多いだろう。

http://www.e-comon.co.jp/magazine_show.php?magid=923 
http://www.e-comon.co.jp/magazine_show.php?magid=924 
http://www.e-comon.co.jp/magazine_show.php?magid=925 

企画を顧客にプレゼンし、提出してから返事がくるまでに、早くても半日とか一日くらいの空き時間ができる。こんなちょっとした手待ち時間をどう過ごすかが大切だと小田は言う。
普通の人ならこうした時間はのんびり過ごしてしまいがち。だが、同社のスタッフはこの時間にレベルアップするそうだ。

各個人が自分自身のレベルアップテーマをはっきり持っている。先輩や社長から認められたい、追いつきたいという気持ちから、技術力やデザイン力を磨く欲求が強いスタッフばかりらしい。
従ってこうした手待ち時間ができると、待ってましたとばかり研鑽に励み、向上していくのだという。

実はこの翌日、東京で韓国人女性経営者とお会いした。キムチの製造卸業を営むこの女性社長の悩みは部下管理だ。普通の主婦が40才を過ぎて一念発起して開業。
「キムチ作りには自信があるが、他人を使うことにはまったく不慣れだからストレスが多い」とこぼす。

午後3時頃には仕事がひと段落するが、時間給のスタッフ達はいっせいに自己判断で休憩する。根が優しい彼女は、「休憩している間があったらあそこを片づけてよ」と内心で思っているが、それを言えない。
彼女と彼女の部下との関係が今後より良くなることを願っているが、カンドウコーポレーションとこのキムチ屋さんとのあまりにも見事な対比はどうだ。空き時間をどう過ごすかが勝負だ。

これは、社員を信頼できるかどうかという経営者の人格の問題ではないと思う。
信頼できる社員と仕事をすること。また、その信頼関係が続くような努力をしていくことが重要だと思う。
それには、小田のような自己規律を組織にもたらす人材を確保することが肝要ではないだろうか。

小田の来年の夢を聞くと、「上半期中に5時間睡眠してみたい」と返ってきた。毎日早朝まで働くので3時間睡眠という状態がずっと続いているらしい。
「大変な仕事ですね」と水を向けると、「指示されてそうしているのではないし、追われてそうなっているのでもない。好きだからやっている。社長の福原とバンドをやっているときと同じように、大好きなことをノリでやっているので、大変だなんて思ったことがない」

カンドウコーポレーションでは、みんな遅くまで働く。しかし、ダラダラと夜型勤務になって朝が苦手というような社員は一人もいない。
しかも家族や友人と約束があるときは、平日でも堂々と夕方5時に帰宅する自由もある。仕事の締め切りまでに自分の役割をきっちり果たすということがお互いに守れているから時間は自己管理だ。
スケジューリングが甘くなりがちな後輩に対しては、副社長の小田や取締役の河野が、きっちりとサポートする。

みんな進んで進歩し、張り合って良い仕事をするから業績は増収増益が続く。だから社員に年に二回昇給できる。一千万円プレイヤーも出だした。
改めてカンドウコーポレーションに感心した。

「小田さん、良い会社ですね」と私が言うと、小田は相好を崩して、
「はい、良い会社です」と言い切った。

あなたも、良い会社宣言をしてみよう!