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ビジョンブック

私がこの一年、メルマガや全国各地の講演会で申し上げてきたことは、「ビジョンを作りましょう」「志をもちましょう」「それを実現するための行動計画を作りましょう」ということだ。
私が所属している中小企業家同友会では、それを成文化したものを「経営指針書」と呼び、全企業がそれを作ろうという運動をしている。
そんなある日、経営指針を作りたいという愛知県の飯田社長(仮)からお電話を頂戴した。

「武沢さん、経営指針を作りたいのですが、武沢さんの実物を見せ
ていただけませんか」
「えっ!私のを見せる?」
「はい、いけませんか?」
「ちょっと困ります。何のために見たいのですか」
「自分が作ろうとしている経営指針の中味というか、構成がこれで良いのかどうか確信がもてないのです」
「では、あなたが今考えている経営指針書の目次案をFAXして下さい。
それを拝見して気づいたことがあれば申し上げますから」

そうやって届いたのが以下のような内容だった。

株式会社飯田土木建設(仮) 第19期経営指針書 目次

1.経営指針成文化にあたり(社長あいさつ文)
2.経営理念とその実践五箇条
3.飯田土木建設の未来(会社の夢)
4.飯田土木建設社員の未来(社員の夢)
5.中期経営方針
6.単年度計画
  ・今期数字目標
  ・営業力強化に関する方針
  ・技術力強化に関する方針
  ・利益確保に関する方針
  ・内部管理と組織運営に関する方針
  ・協力企業との取引に関する方針
  ・財務に関する方針
  ・社員の賞罰に関する方針
7.添付資料
  ・今期月次損益計画
  ・社員の年度目標

私はこれを拝見した後、申し上げた。
「飯田さん、良くできているじゃないですか。この内容でバッチリですよ。ただしちょっと固い雰囲気がするので、若いあなたらしく表現をいろいろ変えてみたらどうですか」と提案した。
ちなみに私の会社、「有限会社がんばれ」の経営指針書は、次のような目次になっている。

有限会社がんばれ社長 『ビジョンブック』 コンテンツ

まず、名前からして「ビジョンブック」なのだ。なにも経営指針とか経営計画という堅苦しい名前を使う必要はない。「夢チャート」でも
「ドリームブック」「マネジメントプランナー」「MY司令塔」・・・
テンションが上がる名称であれば何でも良い。毎年ネーミングを変えても良いくらいだ。

有限会社がんばれ社長 『ビジョンブック』 コンテンツ

1.志・・・我が命は道具なり
    (志の内容はここでは割愛)
    
2.長期ビジョン
  ・理想とする会社像 (グループ経営、持株会社で社長養成企業)
  ・理想とする社員スタッフ像 (自己規律ある尊敬できる若者)
  ・理想とする自分像 (良き志士、良き実業家、良きリーダー、
             良き先生)

3.戦略構想10ヶ年ビジョンwith数字計画

4.SWOT分析 (強み弱み、機会と脅威)

5.中期活動方針
  ・マーケティング方針(偉大ゾーンで勝負する単純明快な戦略)
  ・人材採用と待遇・育成に関する方針
  ・コラボレーションに関する方針
  ・利益と財務に関する方針

6.単年度計画
  ・今期の利益確保に関する方針
   重点収益事業は、________________________である。
   重点戦略事業は、________________________である。

  ・偉大ゾーンに固執し、それを深めるための方針
  ・メルマガ発行に関する方針
  ・ブログに関する方針
  ・ホームページに関する方針
  ・非凡会活動に関する方針
  ・同友会活動に関する方針
  ・広告事業に関する方針
  ・通販事業に関する方針
  ・出版と執筆に関する方針
  ・中国事業に関する方針
  ・顧問先に関する方針
  ・人事に関する方針
  ・出張に関する方針
  ・オフィスに関する方針
  ・自己成長に関する方針
  ・時間の使い方と習慣作りに関する方針

7.優先順位と劣後順位
  すべての活動が大切な訳ではない。

  収益事業として大切な活動は、○○と△△と××
  戦略事業として大切な活動は、■■と□□と◇◇

8.年間行為計画書

9.月別P/L、B/S目標

10.個人目標&楽しみ

  ・年間休日予定     日
  ・年間勤務予定     日
  ・年間勤務時間    時間
  ・休日のすごし方に関する方針
  ・旅行や娯楽、趣味に関する方針
  ・健康管理と肉体改造、運動・食事・酒などに関する方針
  ・自分の年収や資産に関する方針
  ・買いたいものを手に入れるための方針

11.添付資料
  ・経営課題リスト

今の活動を棚卸しし、これからやろうと思っていることを棚卸しする。それをもとに個別の方針を作ってみると、「こんなにもいろいろやることがある」と気づく。総花的になってしまってはいけないと気づくこともある。
逆に、結構たくさんできるじゃないかという新たな自分を発見する時もある。
いずれにしても、経営者としてのあなた自身が納得ゆくビジョンを作ることがすべての始まりだ。楽しみながらやろう!