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剛毅木訥

論語には、「剛毅木訥(ごうきぼくとつ)、仁(じん)に近し」という言葉もある。
剛毅とは、何ごとにも屈しない精神を意味し、木訥は話し下手なことをいう。剛毅木訥であることは、それ自体が仁(じん)、つまり人を思いやる心の持ち主であるとはいえないが、極めてそれに近いものをもっているという。

「今日の言葉」でご紹介した名言に続いて、訥であることの重要さを孔子が説いている。どうやら古代中国では訥弁であることが人徳だったようだ。
日本でも、無口で話し下手であることは決して損ではなかったが、いつのまにか、木訥は不器用を意味するようになってしまった

高学歴化が進み、議論することや仲間と密なコミュニケーションをとれることが必須条件のようになってきたからだろう。
あえて話し下手を目指す必要はない。日本話し方センターの創始者・江川ひろし先生も、島田浩子現社長も、“話し方は生き方である”として、人間づくりを極めて重視しておられる。
いかに話すかの前に、いかに生きるかが大切なのだ。

次に、
「君子は言(ことば)に訥(とつ)にして、行いに敏(びん)ならんと欲す」とあるのはどういう意味か。

これからやろうという事を大げさに上手に話す必要などまったくない。百のビジョン、十の計画よりも一の実行なのだ。
ビジョンを作ることやそれをありありと語れることが才能ではない。
考えたこと、決めたことを実行できること、実行させられることが経営者の才能なのである。

社長にとって、口先だけのプレゼン上手は誉められたことではない。

剛毅木訥、これを私たちは忘れないでいよう。