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目標とマイルストーン

あれもこれも盛り込んだ総花的な計画を作ってはならない。ましてや盛りだくさんの計画を、あれこれ同時進行でやろうなどと考えないほうが良い。


「武沢さん、来年の10大目標を作ったので見て欲しいのですが」「えっ!村野さん、今年はもう作ったのですか」と言いながらさっそく拝見。彼は来年、経営コンサルタントとして独立する予定の31才銀行マンだ。

彼の作った『2005年10大目標』には、次のような項目が並んでいた。

<仕事目標>・・・起業を成功させる

1.メルマガ読者数を3,000人にする(今800人)
2.地域内で異業種交流会を企画開催し、100人規模の組織にする
3.ホームページを作り、毎日100アクセス集まる状態を作る
4.来年末には顧問先を10社にする(月商200万円、月収100万円)
5.本を一冊出版し、キャッシュフローの専門家としてブランド化する

<個人目標>・・・自己管理の徹底で進化する

1.体重62?、体脂肪15%、筋トレ週二回を維持する(今66?、20%)
2.家族旅行を年二回実施する(春は国内温泉、秋はグァムを予定)
3.年間に100冊の読書をする(今50冊ペースなので倍増)
4.英語力を高める(TOEIC 650点目標 今550点)
5.経営の関する専門知識と営業力を身につける

「ほぉ、なかなかスゴイじゃないですか」と私が讃えたあと、ふたつほど質問してみた。

・この10大目標をこのあとどうやって具体化していくのですか?
・この中で一番大切な目標はどれですか?

それに対して村野君からは次のような回答があった。

「この10大目標をエクセルでガントチャートにしてあります。横軸に来年の1月から12月まで、縦軸にこの10の目標を書いて、セルを使って詳細な予定を書き込んであります。また、この中で特に大切な目標は仕事目標の4です。起業して一年以内に月収100万取れるようになれば、自分に合格点を付けられると思いますから」

なるほど、彼のプランは一見すると良くできているが、やっぱり総花的なにおいがする。私たちは目的の目的をしっかり確認しておかねばならないのだ。

突破の科学として有名な“ブレイクスルー発想”では、こんな有名な逸話がある。

・・・
大手電力会社では長年のあいだ、一つの頭痛の種があった。それは鉄塔に巣を作るためにカラスが寄ってきては針金を落とすため、停電になるという悩みだった。いろいろな専門家に頼んでカラスが近寄らない方法を研究した。カラスが嫌う音、カラスが近寄らない臭い、カラスが恐がる天敵など、いろいろ手を打ったが解決しない。そこでブレイクスルー発想ができるある人に相談したところ、一時間で解決法を考案したという。それは、カラスの巣をあらかじめ鉄塔に作っておき、巣を作る必要をなくしたのだ。
・・・

つまり、カラスが停電させているのではなく、カラスが落とす針金が停電の原因だと見抜いた勝利だ。

そこで村野君に戻る。

村野君が一番重要視している結果目標は、「来年末に顧問先を10社にし、月商200万円、月収100万円を実現すること」だった。それが彼にとっての起業成功の条件だったからだ。
つまり頭の先から足のつま先まで、この目標に浸りきることが大切なのであって、それ以外の9項目は、目標ではなくマイルストーン(通過点)なのである。目標とマイルストーンを混同しないようにしよう。