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続・瓶詰めをやらせてくれ

ラスベガスの一等地ストリップに「コカ・コーラミュージアム」がある。そこではなんと、世界中のコカ・コーラが飲める。

「えっ?コーラは世界中どこでも一緒ではないの?」とお思いだろうが、微妙に違う。実際、中国のレストランで飲むコーラは、日本でのそれと違うのだ。原液は同じなのだが、配合する水は現地調達なので、どうしても変わってくるらしい。

さて、1886年、米国ジョージア州アトランタで発明されて以来、コカ・コーラの主成分「7X」がもつ秘密の化学式を知っているものは、わずか7人にすぎないという。そのうち、まだ生きているのは二人で、彼らは決して同じ飛行機に乗ることがない。
信託銀行の貸金庫に眠るというこの秘密の公式が書かれたメモのおかげで、どれだけの富が生み出されたことだろう。
また、どれだけの数の会社が専門家を雇ってこの味を分析し、再現しようと試みたことだろう。それにしても不思議な原液だ。

この原液を発明したペンバートンは、7,396ドルを投じてこの新ドリンクを宣伝し、自分の店で販売して得たお金は160ドルにすぎなかった。
つまり発明者ペンバートンは儲からなかった。そして4年後にこの世を去る。
その後、実質上のコカ・コーラの創業者キャンドラーが2,300ドルでビジネスの全権利を買いとることになる。

当初、コカ・コーラは今のような瓶や缶ではなく、軽食堂などにあるディスペンサーによって手渡しで販売されていた。

コーラ誕生から数年たったある日、ミシシッピ川のほとりで食堂を経営していたビーデンハーンは、何とかしてこの新ドリンクを施設労働者に飲ませてやりたいと考えていた。そこでコカ・コーラを瓶詰めにして売る方法を考案した。

彼の販売方法の発明は、やがて創業者キャンドラーの耳に入り、やがては正式に瓶詰め事業の許可を得る。その契約内容は、今から思えば破格だ。
瓶詰め事業を行う権利は無料、そのかわりコカ・コーラ本社に一切の経費負担を負わせないことと、コーラの原液には何も加えないことだけが条件だった。

ビーデンハーンは、一円の投資もなく基本的に全国の瓶入りコカ・コーラを製造販売する権利を得たのだから、夢のような話だ。事実、彼は巨万の富を得た。

逆からみれば、コカ・コーラの経営者キャンドラーにとっては、瓶詰め事業に懐疑的だったといえる。炭酸飲料を瓶詰めする技術や、空き瓶の回収から洗浄、品質や納期管理、配送などの事業が採算に乗るとは思っていなかったフシがある。
それが証拠に、「君たちがこの仕事に失敗しても私のところに泣き言を言いにくるなよ」とビーデンハーンに確認までしている。

さてこの話から、私は何を申し上げたいか。

・「瓶詰め事業をやらせてくれ」といえるようなビジネスがあなたの周囲にないかを考えてみよう
・あなたの今の事業の周辺で、「瓶詰め」に相当する新たなチャンス(リスク付き)は何かを考えよう

ということだ。