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社長の夢

「武沢さん、中国株投資で10万円が1億円になる時代です。1,000倍ですよ、千倍!武沢さんも中国には何度も行っているのだから、中国株投資を始めたら一石二鳥じゃないですか」

というメールを頂戴した。

蓄財に関するご提案をありがたく受け入れつつ、ふと、一時期おつきあいのあったある経営者のことを思い出した。

そのA社長(当時50才)は、本業そっちのけで株式投資の研究をしていた。ちょうどインターネットによる証券投資がスタートした頃で、毎日1~2万円程度の利益を上げるデイトレーダーだった。株式市場が開く9:00~15:00の間はパソコンにへばりつく。
損する日もあるが、月間トータルでは数十万円の利益を上げていた。

「本業に支障が出るのではないか」とか「社員に良くない影響が出る」などの周囲の指摘に対し、こううそぶいた。

「本業で利益が出ない時代だから、経営者としても自分の給料を減らさざるを得ない。だからちょっとでも収入を稼ぐことは会社のためでもある。しかも、私はみんなが帰ったあとでも会社に残って社員以上に長時間働いているので、私の時間の使い方に不満をもつ社員などいないはずだ」

この社長とはその後、没交渉ゆえ今の様子は知らない。だが、今でもそれは誤りであると思っている。
社長として間違っても思ったり考えたりしてはならないこと、それは次のことだ。

・本業じゃ儲からないので副業で儲けよう
・本業じゃ収入が取れないのでサイドビジネスをやろう
・社員が成長しないので会社が伸びないのだ
・うちの業界や会社には良い人材が入ってこない
・金がない、だから何もできない
・親から引き継いだこの会社では夢がもてない。だから、ほどほどにやっていこう

遺憾ながら、これらはすべて誰かに依存した発想であって、最終結果責任を一手に引き受ける社長の発想ではない。中小企業にあっては、現実のすべてが社長一人の責任だと受け入れた方がうまくいく。


そのためには、成功するための計画書を作ろう。呼び名は何でも構わない。

・経営方針書
・経営指針書
・事業発展計画書
・ビジネスプラン
・・・etc.

あなたの周囲には、それを必要としている人たちが最低5人いる。

1.金融機関と株主
2.社員
3.顧客
4.取引先
5.自分

の5人だ。


まず金融機関や株主。株主には、あなたも入るだろう。

「一緒にイイ夢みませんか。私に百万円出資して下さい。最低でも5年で10倍になる計画がここにあります。今なら一口といわず、何口出資してもらって構いませんのでご検討下さい」

そんなウマそうな話、あなたは乗るだろうか。
実は、「乗る」とか「乗らない」の問題ではなく、そういう夢物語を描くのも社長の重要な仕事だ、ということを忘れてはならない。

北海道非凡会のお知らせ
 今回の北海道非凡会、私の家内も参加します。
 
http://ezohibon.s41.xrea.com/event_ezo.htm