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五木スタイル

今朝のテレビ「はなまるマーケット」の対談に五木寛之氏が登場した。五木氏の文芸作品は、『青春の門』や『旅のヒント』程度しか読んでいない。従って、氏の作品を論じるつもりはない。むしろ五木寛之氏は、私にとって不思議なほど気になる存在なのだ。いや、カッコ良い人だと思う。単なる71才の人気作家という枠を超えて、何かのメッセージをもった生き方をしている人に思える。

なぜそう思えるのだろう?

あいにく今朝の対談だけでは、氏の考えの奥深くまで理解することはできなかったが、そのライフスタイルを聞いて、少し得心がいった。いろんな面で、普通の作家らしからぬ“五木スタイル”のようなものがあるようだ。

氏はこんなスタイルをもった人だ。

1.「日刊ゲンダイ」で毎日の原稿連載を29年間、7000回欠かさずやってきている。(今なお進行中)
2.原稿の書きためをしない主義なので、文字通り日刊。毎日夜中の12時締め切りにあわせて原稿を書く。
3.週に5日は旅に出ているので、自宅など決まった場所で原稿を書くことはほとんどない。しかも自称“化石人間”というくらい、ペンと紙を使った手書き原稿にこだわっている。
  
私の「がんばれ社長!」が3年9ヶ月で約1000号なので、ちょうどその7倍をやっている。スゴイことだ。原稿を書きためしない主義は私も同じで、なぜか書き貯めようという気分になれない。はやり、今日伝えたいメッセージは今日書くべきだと思うからだ。日刊メルマガ作家の多くはそうだし、それしか出来ないだろう。また、明日のことを思い煩うことをしなくなったという意味で、ひょっとしたら自信の表れかもしれない。

氏のスタイル続く。

4.何かの本や資料に依存しないで原稿を書く主義だ。どうしても必要な資料があれば、図書館に行ってコピーする程度なので、書斎にこもって資料に囲まれながら執筆することはない。
5.毎日原稿を書くということは容易なことではない。何らかのストレスがある。しかし、ささやかな楽しみを作ると原稿を書くことも楽しみになる。私(五木)の場合、指が気持ちよくなるほどの最高の書き味をもった万年筆を買い、今も究極のペンを探し求めていることが原稿を書く楽しみになっている。

私(武沢)の場合も週に4日は旅に出ている。根っから旅が好きなので、ビジネス出張という感覚はまったくなく、あくまで「旅」だ。

旅に出て人に会い、会話を肴に地酒を酌み交わす。多くの人と会話することから明日のメールマガジンの糧が得られる。ヒントを得、刺激を受けるのだ。こんなスタイルを、これからもやっていきたい。おのずと、本や資料に依存しないで執筆ができなければならない。幸い私たちは、五木氏にはない(多分)、インターネットがある。
いつでも何でも調べられる、という武器があるではないか。

そのほか、生活習慣や健康管理、ストレス対策について、こんな話も飛び出した。

・仏教に、「夜の病は我が病なり」という言葉があるように、社会の出来事が病んでいるのに、自分一人だけが悩みもストレスもなく生活できるというのはムリな話。いかにそれらと上手につきあっていくか、ということが大切な問題だ。つまり、上手な生き方を学ぶことだ。

・就寝は午前6時、起床は午後1時(睡眠時間は7時間)という習慣が確立している。完全に夜型人間だ。夜は5時まで必ず原稿を書く。それから眠るまでの1時間ほど、テレビを見たりお酒を飲んだりして一人の時間を楽しむ。

・基本的には一日一食主義だ。時々、サンドイッチやお蕎麦を間食する程度。私は「腹八分目」というのはウソだと思う。
 人間は世代によって食べるべき量が決まる。10代は腹10分目、20代が9分目、30代が8分目、40代が7分目、50代が6分目、60代が5分目、70代が4分目、80代が3分目で90代が2分目、それ以上になればカスミを喰っていればいい。

・仏教の千日修行でも、一日豆腐半丁とジャガイモ二個くらいで野山を飛び回る修行をやり続ける。栄養学的な意味で、カロリーだとかビタミンだとか、一日何品食べなさいという教えが通用しないのが人間の身体ではないだろうか。

蛇足ながら、五木氏の最新作をamazonでチェックしたところ、福岡のカヤノさんのコメントを見つけた。奇遇だ。いや、同郷人としてこれは、当然のことかも知れない。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344006135/