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コンプライアンスということ

つまらないことで逮捕される人がいる。実にもったいないではないか。
牛肉偽装事件など、企業の不祥事が後をたたないだけでなく、最近、著名なエコノミストや教育者が不祥事で逮捕される事件が相次いでいる。

特に、テレビでも大活躍していたUさんは、新幹線で乗り合わせたこともあるが、礼儀正しいナイスな紳士だった。少なくとも私がお見受けした限りでは、隣の老婦人がお弁当を食べるのを気遣ってトイレを我慢しているような紳士なのだ。

また、高校野球で生徒を甲子園に導いた北海道の先生も、校長が、「本当に教育熱心な先生だった」と驚きを隠さない。

私はこうした事件に心が痛む。
「なぜそんなつまらないことをして捕まったのか」と。

あたら有能な人材が、将来を嘱望される大切な人材がこうした些細なことにつまずき、一生を棒に振るのが痛ましいのだ。国益に反する。本人の自業自得と言ってしまえばそれまでだが、指導する側が、何らかの方法でコンプライアンス(法令遵守)を確認せねばならないのではないか。

江戸時代の末期、吉田松陰と並び称された志士に橋本左内がいる。彼が十五歳の時に書いた『啓発録』という本の中に次の五項目が挙げられている。

第一 「稚心を去れ」(去稚心)
    子供っぽい、甘ったれた気持ちを去れ
第二 「気を振え」(振気)
    元気を出せ
第三 「志を立てよ」(立志)
第四 「学を勉めよ」(勉学)
第五 「交友を択ぶ」(択交友)

15才で人間が完成した昔と違い、今では50才でも子供だ。それはそれで問題ありだが、幼児化が進む今の大人たちに対して、コンプライアンスということをあなたの周りでも議論してみよう。