Best of がんばれ!社長  武沢 信行

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傍観者効果と社会的手抜き

      2014/08/04

今日の新幹線は比較的混んでいたが、もし仮に私の車両には乗客が他にだれもいなかったと仮定しよう。そこへ隣の車両から若い女性が「キャー、助けて」と悲鳴をあげながら逃げ込んできたら、私は迷わず助けに行くか、まずは立ち上がって状況を確認するはずだ。そこには私しかいないのだから。

しかし車両の中にもうひとり誰かがいたらどうだろう。さらには、数人いたらどうか。十数人ならどうだろう。数十人ならどうするか。

乗客が多くなればなるほど私の当事者意識が薄れ、その反対に、傍観者意識が濃くなっていくはずだ。このことを心理学では「傍観者効果」という。

1964年、ニューヨークの住宅街でひとりの女性が帰宅途中に男に襲われた。女性が大声で悲鳴をあげたため、男はあわててその場を立ち去った。ところが、近所から誰も助けにくる気配がなかったので男はもう一度戻って女性に暴行を加えた。そのようなことが二度に及んだ。そして、女性は強姦されたうえに殺害されるという痛ましい事件になった。

この事件が当時大きくとりあげられた理由は、周辺住民についてだった。事件後の調べで分かったことは、38名もの住民が女性の悲鳴を聞いていたというのだ。窓際から外を見ても、夜のせいで何も見えなかったため、警察に通報する人すらいなかった。一度ならいざ知らず、二度も三度も女性の叫び声を聞きながらも、誰一人助けようとしなかった。

当時のマスコミは、都会に住む人間の冷たさやモラルの低下を指摘した。しかし、ある心理学者は、マスコミの報道とは別の考えをもった。それは、「多くの人が悲鳴を聞いていたからこそ誰も助けなかった」のではないか考え、それを「傍観者効果」として実験によって証明してみせた。

傍観者効果があらわれる要因として、次の三つが指摘されている。

1.多元的無知…他者が積極的に行動しないことによって、事態は緊急性を要しないと考えること
2.責任分散…他者と同調することで責任や非難が分散されると考えること
3.評価懸念…行動を起こした時、その結果に対して周囲からのネガティブな評価を恐れること

★傍観者効果
http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=3940

それに似たものとして、「リンゲルマン効果」(社会的手抜き)とよばれるものもある。
たとえば「綱引き」だが、一対一で綱引きをするときの力を 100とすると、綱引きのメンバーが増えれば増えるほど手抜きをするようになり、メンバーが 8人になると 49の力しか出さないというものだ。

★リンゲルマン効果
http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=3941

「傍観者効果」と「社会的手抜き」という人間の本性を理解した上で、いかにそれを取りのぞくようにつとめるかが経営者の腕の見せどころとなるわけだ。

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