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サロンパスのように一気に剥がす

今日は 60歳以上に向けてメッセージを。

年を取るほどに身重になっていくものである。体重だけでなく、いろんなものを背負いこんでしまいがちである。だんだん荷物を降ろして身軽になっていきたいものだが、あなたはどうだろう。

あるコンサルタントがかつて「年配者は金はため込まずにきれいさっぱり使い切れ」と語っていた。「この際、きれいさっぱり持ち家も信仰も捨てよ!」とまで言っていたが、なかなかの達観者だと思う。

昔、インドのバラモン教では人生を四つに区切って生きることを教えた。
1)学生期(がくしょうき):学問し修行する時期
2)家住期(かじゅうき):学生期を終え、結婚して家庭を守りながら務めを果たす時期
3)林住期(りんじゅうき):家庭での務めを果たした後、家族を捨て、財産を捨てて林に住み、生きる目的を考える時期
4)遊行期(ゆぎょうき):真理を求め、乞食(こつじき)しながら全国を遊行し、ガンジス川にたどりつく時期

あなたが今、何期かは分からないが、徐々に周囲から期待されることを減らし、同時にあなたが何かに固執するものも手放して生きていくことが大切だろう。

いままで大切だと思っていたものが本当に大切なのか、本当にあなたが守るべきものなのかどうか。「おれがやらねば」という当事者意識は必要ではあるが、それが過剰になると身重な自分に気づくことになる。

・家族を守ろう
・子どもを守ろう
・社員を守ろう
・会社を守ろう
・友人を守ろう
・親を守ろう
・健康を守ろう
・知性を守ろう
・収入を守ろう
・資産を守ろう
・ブランドイメージを守ろう
・信用を守ろう
・法律を守ろう
・ルールを守ろう
・時間を守ろう
・約束を守ろう
・常識を守ろう
・憲法を守ろう

いったいどれだけ守れば気が済むのだろう。気づけば守るものだらけ。反対に守りませんよ、期待しちゃあダメですよ、むしろ私は破っちゃいますよ、と言って回ろう。

・家族の期待にはこたえません
・子どもの期待にはこたえません
・社員に期待されても困ります
・会社から期待されても困ります
・友人から期待されても困ります
・親から期待されても困ります
・健康には期待しないでください
・知性には期待しないでください
・収入には期待しないでください
・資産には期待しないでください
・法律を守ることは期待しないでください
・ルールを守ることは期待しないでください
・時間は守りません
・納期だって一応の目安です
・約束はしません
・常識を知りません

持ち家も手放し、貯金もなくし、何もかも手放し、守るものも期待するものもない。そうなったあとに、何が残るか。

たぶんそれを「真我」(しんが)とか、悟りとか、脱落とか言うのだろうが、一番自由でしなやかな人だと思う。

サロンパスのように、徐々に剥がすと痛いから、一気に剥がしてしまおう。剥がし方は簡単だ。剥がしますよと言ってから一気にやればよい。

剥がして分かることは、意外に誰も困らないということだ。実は自分が困るだけなのである。