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続・中国顛末記

太陽商事の一員であり、北京在住の学生・杉浦憲臣さんがすばらしいレポートを寄稿してくれました。あまりにすごい内容なので、今日はそれをご紹介します。中国でのイベント出展に興味のある方にとってはまたとないレポートです。

ちなみに、今回の常州博覧会に共同出展された企業は次の四社。

  太陽商事 http://www.jcdirect21.net/ 
  ニューズ・ツー・ユー http://www.news2u.net/ 
  神原汽船 http://www.kambara-kisen.co.jp/ 
  eチャイナhttp://www.e-china.co.jp 
(それ以外に、ラスベガスのネバダ観光櫻井社長も同行されました。)

【常州市中国国際中小企業商品博覧会についての報告書】杉浦 憲臣

今回常州市が開催した博覧会は9月20日~25日、800のブースに400余りにものぼる中国国内外の中小企業が出展した。アメリカ・ロシア・イスラエル・カナダ・ベラルーシ・ルアンダ共和国・メキシコ・イラン・ポーランド・マレーシア・アルゼンチン・カンボジア・フィリピン等様々な国の領事館代表もしくは各委員会代表が初日挨拶を行った。

またアメリカ・ドイツ・日本・タイ・シンガポール・韓国・台湾・香港といった国々からもブースが出展され、中小企業対象とはいえ国際色豊かな展示会であり、それが今年の特徴となっているとの事であった。

我々一行も、その国際色を創作した一団であるが、ブース自体のコンセプトは極めて異色であり、特色あるものとして観客からしっかり捉えられていたようであり、そこからも分かる様に単なる参加・出品をした他の国外企業とは一線を越えていたと自負する。

展示会は江蘇省政府や中国貿易促進会、国家発展&改革委員会といっ
たところからも注目され優遇を受けているとの事。
常州中小企業だけでなく国際的に交易が活発になる一つの展示会と位置付けられている。
今回の展示会出展にともないブース出展によって得た収穫と反省点は以下の通り:

<収穫>

1.常州市の市況把握

各ブースを回ると常州市の市況が分かる。三角デルタ地帯とはいえ、上海や無錫のような発展は未だしていない。だが、IT・家電・輸送機械分野の出展が多く、同じような形態で開発されて行く事が予想できる。我々のブースに来た顧客の殆どは上述した分野で活躍する会社であり、メールでの反応があったのもそういった分野であった。

日本企業との貿易関係がなく、現在は欧米向けに商売をしている従業員20人程度の小規模会社が多い。貿易関係をはじめ、それをきっかけとして日本と商売をしたがっている。そのようなニーズは殆どの企業が持っている事が分かるゆえ、貿易を主体としたコンサルティング、日本企業紹介は充分商売となるに違いない。

2.我々に対する常州市企業反応

将来の顧客である常州人の、我々ビジネスに対する反応が見れた。中国人は「加油!総経理」(がんばれ社長!)という文字に良い印象と期待・好奇心を持つ事が分かり、充分に人をひきつける名前である事。また中国人ビジネスマンや経営者が、日本企業に対する技術力・信用力というイメージをもっているある事は、ブースで接客する事で肌に感じることが出来た。
将来も自信をもって日本の商品・サービスを中国へ売り込める可能性がある。

3.中国ブース出展へのノウハウ蓄積

次回出展の際、もっと簡単に出展出来る資料が完成。ブースパネルや配布物・配置する人間数等、中国国内におけるブース出展ノウハウが分かった。

4.政府とのつながり

政府主導による地方都市展示会は政府とのつながりを持つ事ができ、中国では政府とのつながり、友好度が商売に大きく影響。それ故、今回はそうした太いパイプが出来たことが非常に心強い。

5.地方都市における展示会の重要性

展示会に参加するということはその土地で将来事業を拡大させるのだという宣言をした事となる。実際、今回出展している海外法人ブースの2割程度はその土地に事務所をもっていない様子。
これから自社製品・サービスを提供するという事でその先行投資、紹介といった面を展示会は持っており、今回は導入としては充分な役割を果たしたと思われる。

6.参加日本企業間の連携

今回共同出展したブースに人間関係が出来、またお互いのビジネススタイルを認識する事ができた。三本の矢ではないが中小企業同士が連携・協力しあい、力を融合することで様々な事が出来る。もっといえば、単体である大企業に勝てるといえる。

<反省点>

1.市場未熟による顧客反応の鈍さ

常州という一地方都市で開催されたため、市場が成熟しておらず、来客者が我々のビジネス内容を認知している度合いが当然低い。内容を説明する事に時間がかかり、実際の商売まで結びつけるのは時間がかかる。将来はもっと具体的なビジネスモデルを提示する必要がある。 

2.観客来場目的とのギャップ

人々が集まっている場所ということで一般の観客も多く、また他のブース自体もそういった一般観客相手に商売をする場所が多く見られた。商用目的で来る観客自体が少ない事が営業を非効率にさせていた。

また週末は休日のためか消費者と法人の見分けがつかず、営業対象を絞る事が出来なかった。
今後は相手方から名刺を先にもらえるようにするシステムとし、ブース店員にもそのように促すよう教育する必要がある。 

3.資料の不鮮明さ

視覚的に人を弾きつけるようなブースの作りが大切である。次回は、日本の商品や日本を想像させ、かつ関連した商品を置くブース作りを目指す事が必要でだろう。カタログもカラーで作成、配布し、アピールすることにしたい。

<続く。明日は、杉浦さんが感じた中国でのビジネスチャンスについて言及します>