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サービスをマネジメントする

※突然ですが、
今日はまず「中国レポート現地速報 From 常州」をお届けします。


今私は「中国国際中小企業商品博覧会」のブースにいます。この原稿を書いているのはこちらの時間で9/21(日)午後4半時です。

この博覧会は中国全土のなかでも唯一の「中小企業」をテーマにした博覧会であり、中国人民政府や江蘇省、常州市からの要人や、各種団体のリーダーが開会席に列席。そうした要人やリーダーに混じって、なんと、我が「がんばれ社長!」の武沢も貴賓席に並びました。常州市政府の私に対する扱いの丁重さには本当に驚いています。


常州市ケーブルテレビでは、今回の博覧会のもようを夜のニュース番組で放映。江蘇省の知事や科学技術局の局長などと握手をかわす私の姿も放送され、ここでも驚きというか、感激というか。


今回のブース出展は、6コマも無償で提供してくださり、中国企業が日本へ進出するのを支援する、というコンセプトで以下の5社が協同で出展しました。

・「がんばれ社長!」・・・メルマガ告知と「がんばれ社長!」中国語対応のアピール
・ニューズツーユー・・・日本に対するプレスリリースを支援
・太陽商事・・・日本のパートナー企業選びと物流コンサル
・eチャイナ・・・中国企業向け日本語ウエブサイトの構築と「がんばれ社長!」の翻訳ならびに中国広告代理事業
・神原汽船・・・「1リューベから」をウリモノに、日中間海運サービス


出展の成果

1.「がんばれ社長!」中国語版の購読予約を受付はじめました。期間中の登録者は7名(二日目現在)。この7名の読者が、やがて中国全土に大河の流れの   ごとく広がっていくはずです。

2.貴重な経験
  中国国家主催の博覧会がどの程度の規模で、どんな雰囲気なのか、出展者の立場として内側からイベントをつぶさに見ることができました。間違いなく人  は集まり。AIDMA理論にもとづいて計画的にブースづくりをすれば、必ずもっと大成功させられると感じました。この経験が財産です。
  
3.常州市と「がんばれ社長!」は、正式に契約を交わしました。常州市で経営者向け人気サイト「創新ネット」に「がんばれ社長!」の本文が抜粋されて掲  載されることに。同時に、常州市から日本経営者に向けた中国ビジネス情報が定期的に「がんばれ社長!」向けに配信されることで合意しました。


初日・二日目を終えての感想

1.常州市の副市長(39才)の発言が印象的でした。「われわれは、企業が発展するための支援を惜しまない。企業が富めば、市民や国民も潤い、豊になる。  こうして民間の経済人をもてなすのは、政府スタッフとしてあたりまえのことをしているだけだ。」

  これは、副市長や科学技術局の局長みずからが、われわれ5社を心からもてなしてくれることに謝意を述べたものへの答弁です。

2.「がんばれ社長!」を中国語で書くと、「加油!総経理」となります。中国では毛沢東時代から「加油!」という単語に好意的な印象をもっていると聞き   ました。今日だけヘッタの位置にそう書いてみましたが、いかが。

3.メルマガ広告をアピールしました。
  ヘッタ広告1回につき6万円と話したところ、これは常州ケーブルテレビの15秒広告と同じだと言われました。当然のことながら、日本と同一料金では通  用しないことは分かっています。でも私の考えは、人民元換算の値段にするつもりはありません。
  思い切って高い値段でも広告を出したという中国中小企業とおつきあいしていきます。

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『サービスをマネジメントする』


顧客ニーズは移ろいやすく、わがままなほど要求レベルが上がっていく。昨日までは値段の安さが大人気の秘訣だった居酒屋さんも、類似するお店がすぐに出現し、やがて、その価格が当たり前となってしまう。もっと安くするか、それとも味やメニュー、接客レベルや店内の雰囲気作りなど、新たな価値を投入していかないと顧客創造し続けることができない。

では具体的に、顧客創造していくためにどう行動するかがポイントになってくる。絶えざる企業内イノベーションが欠かせないのだ。まずは、あなたの顧客が誰なのかを明確に定義づけすることが肝心であり、その顧客があなたの会社に期待していることを正確に知ろうではないか。

スカンジナビア航空を劇的に立て直したヤン・カールソン社長は、自社の事業を「ビジネスマンのための航空会社」と位置づけ、ビジネスマンが望んでいるサービスをひとつひとつ決めていった。

あなたの会社では、顧客が期待しているものは何だろうか?

それは「価格」か「品質」か「サービス」か。それとも総体的な「満足」なのか、それとも「感動」なのか?

実はそのいずれでもない。いや、そのすべてと言うべきか。顧客があなたの会社の製品・サービスを購入するのは「価値」である、とカール・アルブレヒトは説く。彼は共著『サービスマネジメント』(ダイヤモンド社)のむすびで次のように述べている。


・・・戦略的にカスタマー・バリューを提供しようという意思決定をした企業のトップのために、数々の成功物語の中から見つけた次の価値ある教訓を紹介しておこう・・・

と、次の10項目を掲げている。

1.顧客が求めているのは「価値」である
2.些細な差は評価するな
3.顧客の目は欺けない
4.大々的なプログラムは失敗する
5.リーダーが望まない限り、顧客志向が実現されることはない
6.社員が感じるものは顧客も感じる
7.スピリットは保存できない
8.製造業モデルではうまくいかない
9.言葉も重要
10.成功に終わりはない

この中から一番目を考えてみたい。

作者のカールは、「顧客が求めているのは価値の総体としてのバリュー・パッケージであり、そこには製品も価格もサポートも情報も、そしてその顧客にとって関心がある部分に対応するための活動もすべて含まれているのである」と語る。

顧客が感じる「価値」というものは、組み合わされたパッケージ商品なのだと考えてみよう。このパッケージの中には、価格・製品品質・納期・情報・人的対応・アフターフォローなど諸々の部品から構成されている。

1.それぞれの部品がどうあるべきか
2.それぞれの部品はどうあってはならないか

を明確にし、社内で合意を作っていこう。苦情やトラブルを完全に撲滅しようなどと思うと焦点がぼけるので、ポイントを絞るのだ。

世界最大の貨物会社「フェデックス」では、独自のサービス・クォリティ評価指数を定めている。これは、顧客維持に重大な影響を及ぼすサービス上の問題をいち早く解消するのに用いているものだ。その内容は次のとおり。

  あってはならない項目    ウエイト(重要度)

1.集荷のミス            10
2.荷物の損傷            10
3.荷物の紛失            10
4.同じ顧客からの同じ内容の苦情    5
5.予定期日後の配送の遅れ       5
6.荷物の過剰             5
7.荷物の現状位置確認についての苦情  1
8.配達証明書の紛失          1
9.電話がつながらない         1

※この内容は、『サービスマネジメント』(ダイヤモンド社)130ページにあるものを武沢が編集しなおしたものです。

フェデックス社では、上記「ウエイト」に一日あたり発生件数を掛けて「一日あたりの失敗ポイント」を算出し、問題解決に役立てているという。

つづく予定