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その性格を変えてみよう

●「武沢さん、性格は変えられないって聞いたことがあるのですが、私のこの短気な性格は変えられるでしょうか?」

「あなたが短気なのですか?そうは見えませんがね。でもそれを直す必要があるのなら、性格だってどんどん変わりますよ。楽しんで変えましょうよ。」

というような会話を最近した。

●人間の「気質」を変えるのは困難だが、「性格」は変えることができる。「気質」と「性格」を同一視しないでほしい。まず、私たちの性格がどのように形作られるかを知っておこう。ちょうど性格の外観は、バームクーヘンのように丸い。しかし、バームクーヘンのように幾つもの年輪があるわけではなく、たった三層しかないシンプルな構造だ。

●その一番中心部にあるタマネギの芯の部分を「気質」とよぶ。赤ちゃんとしてオギャーと生まれた時には、すでに備わっているパーソナリティのことだ。

●その「気質」という芯の周囲に「環境性格」という二つめの層が加わる。この層は、親や学校の先生、小さい頃の友達などの影響で形作られ、気質とは別の性格が少しずつ育まれていく。

●「何やってるんだお前は」と怒鳴りながら、茶たくをひっくり返すお父さんの子は、やっぱりキレやすくなるという。それは父親の性格が遺伝したというよりは、親の行為をみて子が学習するのだ。“思い通りにならない時には大声を出して乱暴すると周囲は黙ってくれるんだ”という学習である。このように、良かれ悪しかれ幼児期における家庭や学園生活の環境から作られるものが「環境性格」である。

●そして最後に、「役割性格」というものが一番外を覆う。本人の学習や努力、それに立場によって“自分はこうありたい”“周囲からこう思われたい”と心に願う像に近い性格を演ずる。演じ続けるうちにそうした性格が本物であるかのようになる。

・社長らしくふるまいたい
・お客さんを大切にしたい
・部下の面倒をみてやりたい
・リーダーらしいリーダーになりたい
・頭の切れるシャープなビジネスマンだと思われたい
・・・etc.

●学習すること、成長することにどん欲であればあるほど一番外の性格、つまり「役割性格」が進歩する。その反面、学習も成長も乏しい人は、限りなく「役割性格」が薄っぺらいものとなり、「気質」の通りの人間にとどまっている。


●さて、性格の二面性という言葉があるが、誰でも一つや二つ、人には内緒にしておきたい隠された性格をもっているだろう。通常、それは「気質」の部分に近い。「気質」である限り、それは変わらないわけだから、直そうと思わないことだ。むしろ、その周囲の鎧を強化することに専念しよう。つまり、「役割性格」を明確にし、それを全うするのだ。

『何かを得たければ何かにならねばならない』という言葉があるが、haveしたければbeしよう。getしたければbecomeしよう。