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長州非凡会余話

『長州非凡会余話1』

来年のNHK大河ドラマは『宮本武蔵』に決まっている。私も学生時代には、吉川英治さんの小説を読んで影響を受け、武蔵の「五輪の書」や沢庵和尚の「不動智神妙録」などを読んだものだ。

ドラマ放映を見込んで、地元製菓業者からは「遅いぞ武蔵」、「巌流焼」などの観光土産が作られ、放映スタンバイという所か。そんな中、先週の金曜日(11月1日)は、長州非凡会のため山口県徳山市を訪問。盛大に盛り上がった非凡会の翌日は、現地の方とご一緒して下関に行き巌流島まで渡った。

今はまだ定期観光船がない模様で、渡し船(一人1,500円)に電話予約して巌流島に渡る。下関の港から約5分、あっという間に到着する。来年、殺到するに違いない観光客に備えて、島内では造成工事が始まっているものの、いまのところは無人島と言っても良いほど何もない。

巌流島 http://www2.tip.ne.jp/~kondou00/ganrew.htm
巌流本舗 http://www.navitown.com/ganryu/index.html

いやぁ、それにしても驚いた。なにしろこの船頭さんの武蔵・小次郎伝説の語り口調が絶品なのだ。お見事、としか言いようがない。急流のように流れる関門海峡の潮の流れを背景に、寒風吹きすさぶなか立ちつくして説明を聞く我々一行4名。文字通り殺風景なだけに、いっそう武蔵・小次郎の決闘シーンが生々しく今この場所に甦る。

現地を見て解説を聞いて明らかになる幾つかの真実は、今までの常識と異なることがある。映画やテレビでよくみる決闘シーンは、砂浜で行われる。だが、何とこの島に砂浜はない。岩で出来た島だ。彼らは岩場で決闘したに違いない。また、小次郎を一撃で倒した武蔵は、とどめもささずに逃げるように帰っているそうだ。その理由は、ここに来て始めて臨場感をもって理解できる。小次郎の弟子が待つとされるお隣の彦島が(弟子待町という地名が今でもある)目と鼻の先にあることや、潮の流れが変わらぬうちに下関側に戻りたいという気持ちがあって、あわてるように戻ったという。さもありなん。

http://www.ne.jp/asahi/oda/kaze/musasi/ganryujima.htm

また、なぜこの島を決闘の場所に選んだのか、どうしてこの場所に小次郎の墓があるのか、など縷々あきらかになる。「女優の鶴田真由さんは生でみるととんでもなくキレイで、人間としてもすごく立派だ。それに比べて、女優の○○は、・・」というような裏話も笑わせるものだ。

「普段は造船業を営んでいます。」というこの船頭さんにとって、きっと大好きな話題を毎日くり返しくり返し語ることによって、完全にご自分の持ちネタにしてしまったに違いない。10/30号の「がんばれ社長!」でいかに狂うかについて言及した。「外面的要求」を「内面的欲求」に置き換える、つまり“話したくてたまらない”という状態をつくり出すには、自ら興味のあるテーマについて何度も何度も声に出して反復して語ることだ。
そうすれば、あなたのビジョンも理念も思想も哲学も完全にあなたの一部となる。この船頭さんの持ちネタ以上に迫真の語りができるようになる必要が我々経営者にあるのだ。

『長州非凡会余話2』

非凡会で私がお話しする前に講演された株式会社ピコールの石田さんの話しがとても誠実かつ充実していて魅力的だった。そこで石田さんにお願いし、その要約を「がんばれ社長!」に寄稿していただいた。きっと参考になると思う。

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私は現在、2つの会社の仕事をしています。一つは、友人たちと2年前に立ち上げた株式会社ピコール。ネットを中心としたHP作成から顧客サポートまでのマーケティング業務・経営面でのネット活用法指導です。 http://www.pecall.co.jp

もう一つは、実家の、フラワースリッパというスリッパ屋ですが、今は合皮製自動車用シートカバーの製造直売を行っています。こちらは昼の仕事(ピコール)から帰った後、夜寝る前と、日曜にしている仕事です。日中は母親が4名のパートを使い、工場をきりもりしています。シートカバー事業:マツダシートの部分縫い下請け:スリッパ=4:4:2の割合(売上)です。ここ3ヶ月の売上は160~170万円です。 http://www.y-brand.com

下請け事業(マツダ孫受け)と自社事業(スリッパ&シートカバー)の3つの仕事を、共用できるミシンや糸などをつかいながらバランスをとりながら行っています。

あるとき、フラワースリッパに経営危機が訪れました。その時点で私は公務員でしたが、2代続いた会社をつぶしたくない、という思い、使命感が急に出てきて、必死で考えました。
「スリッパと同じレザーの原料」「カラフルなレザーの仕入れルートを生かす」「縫製技術」「高単価でも買っていただけるもの」「ネット直売」「自分が好きなモノ」これらのキーワードで必死で3日間考えて、今のシートカバーをつくる事にしました。実は車いじりが好きで、大学の頃は古いセリカにのり、エンジンをいじってました。
私がフリマに出店し、ござを引いて、「にーちゃん、にいーちゃん」と声かけて、販売するところからはじめましたが、幸いにもネット経由での注文が2年目にして増えだしました。イベントで出会ったbBという自動車クラブの人たちによるネットでの口コミが大きかったです。ネットで一つ目のシートカバーが売れたときはうれしくて涙が出そうになりました。今でも、新商品がはじめて売れると泣きそうになります(笑)
2年ほど前に始めたネットでのシートカバー通販部門は、当初なかなか一万円の月商にいたりませんでしたが、今では軌道に乗って先月(10月)には、80万円を突破。年内に100万円、来年はさらに大きな数字を見込んでいます。

私がネット支援業のピコールで関わったネットショップでは、1年で月商0から900万になった会社を筆頭に、2年ほど運営していると、なにかしら奇跡的な売上を示すことが各社あります。きなこや味噌など、通常の人は「これはネットでは売れないだろ」というようなものでも、売れるページにしないといけない場合もあります。消費者に送料を払ってまでも「買いたい」と思ってもらう為には、強烈なインパクトをページ上で与える必要があります。

例1
きなこ屋さんの会社
http://www.takesyoku.com
→ http://www.takesyoku.com/kinako/index.html ←動機づけ
↑こういった文章・ページは私がヒヤリングした上で自分で書きました。
私が農学部出身で農業関係の仕事をしたこともあることからその辺の知識もおりまぜて書きました。
例2
味噌屋さん
写真にこだわりました。荷姿・パッケージを出すのではなく「食べたい」と思わせる写真&ページを、というわけで自分で撮影しました。リアリティー重視です。
http://www.tokujimiso.com/tyumon.html
味噌は値段が安い割に重量があり、ネットで売るのはかなり大変です。この会社も送料が最低800円かかるのに商品の単価が200円台のものが中心の商品構成になっていますので、注文を取るのもとても大変ですが、ぼちぼち注文は来ています。

例3
マカ(健康食品) 私より2つ年下の阿万君が運営管理しています。阿万君は、がんばれ社長を紹介してくれた人です。
http://www.maka.co.jp マカのサイト
一番成功している会社ですが、コミュニケーション重視です。ページ上のお客様のお声、原産地のペルーに関する情報、を多く入れ込み、見えない部分では、不妊に悩む女性の個人サイトから多くリンクを張ってもらっています。

一例ですが、会社ごとにネット戦略・売り方・送料体系等、まるで異なります。1社1社、毎月1~2回会議を行い、又、電話で毎日相談しながらドンドンページやメルマガを作っては出し、とにかく売上を伸ばします。

そんなピコールとフラワースリッパのシートカバー部門立ち上げの頃から、WEBに日記を書いています。↓石田日記
http://www2u.biglobe.ne.jp/~fslipper/bton/diary/diary.cgi

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石田さん、貴重な体験談と情報、ありがとうございました。