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実行力=やりきる力+やらせきる力

「マネジメントレベルが高いお店とは、経営者の思いが売場づくりや社員の接客にしっかり反映されているお店のことだと思うわけ。でも、うちのお店ではそれがまったくできていないのがくやしくて…」

そう語るのは、輸入雑貨の仕入れ販売を行う株式会社 N の N 社長。

一年の半分をご主人と北欧で過ごし、残りを東京で母と暮らす。都内には彼女が経営する店舗が二つある。自ら店頭にたって接客することもあるが、大半は二人の店長に店を任せているという。

そんな彼女の悩みが売場にある。いや、社員との関係にあるというべきかもしれない。

「この商品をこんな売場で提供すればステキ」と思って仕入れたものが実際の売場は随分違ったものになってしまうというのだ。彼女が東京にいるときはイメージ通りの売場になるが、北欧にいる間にそれがズレてきてしまう。

一般的にチェーンストアの売り場づくりでは、イラストや画像を使ってイメージの統一を計っているが、N 社長も主力商品についてはそうしている。だが、すべての商品でそうする時間はない。
小売店に限らず、あらゆる経営者は社員とイメージや価値観やビジョンを共有することに心を砕いている。

経営者の思いをいかに社員と共有するか、そして社員の思いやアイデアをいかに経営者が吸い上げるか、ということが社長の頭を占めているのだ。それこそがマネジメント力と言ってもよいほど重要な問題だろう。

経営理念が悪い、間違っている、という理由で失敗するケースよりも、経営理念が実行できないから失敗するのである。社長が考えていることが間違っているから失敗するケースより、社長の考えが実行できていないから失敗することの方がはるかに多い。そういう意味で、アイデアをいかに実行するかという「実行力」を高めることが極めて重要だ。

実行力を高める、ということは平たくいえば「やりきる力」と「やらせきる力」をいかに高めるか、という問題だ。それは意思の力と仕組みの力の両方が必要になる。

今の私の最大関心事は「実行力」であり、この秋、実行力を高めるための短期集中講座を開催しようと画策している。
経営力は立案力と遂行力のかけ算であるが、「がんばれ!社長 本気講座」では経営者の立案力をサポートし、もうひとつの「実行力講座」とあわせてひとつの完成だと思っている。