人事労務組織

過ぎてかえらぬ不幸を悔やむ

Rewrite:2014年3月29日(土)

「あの時 U 君をもっと真剣に引き留めるべきだった」と悔しそうに語る N 社長。ホームページ制作の仕事を U 君 一人に任せていたのだが、遅刻癖が治らない U 君に向かって「今度やったらクビだ」と宣告してしまったという。その後一週間は出社時刻を守ってくれたが、また遅刻したとき辞表を提出した。

「本当にやめる必要はないし、やめるにしても後任を決めて育ててくれるまでは居てもらわないと困る」と N 社長は言った。だがその日、すべての私物を整理して U 君は居なくなった。

「何がいけなかったのだろう?私はどうすべきだったのだろう?」N 社長は頭を抱えたが、5年経ったいまでも U 君後釜は見つからず、ホームページはほとんど更新していないという。

「社長、人材は手放して初めてありがたみが分かるともいいます。社長にとって U 君はそんな人だったのでしょう。しかし、経営も人生も止まって待っていてくれるわけじゃありません。次へ行くべきですよ」と私は申し上げた。

すると N 社長はこう言った。「それは重々承知しています。あれから何回もネット人材を募集しましたが U 君ほどの人材がいなくて……」

そこで私はシェイクスピアの『オセロ』に出てくる言葉をご紹介した。
『過ぎてかえらぬ不幸を悔やむのは、さらに不幸を招く近道だ』

「U 君の存在を採用基準にしていませんか?求める人材の条件を緩和して、あとは育てていけば来年の今ごろは立派なホームページになっていますよ」