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徹底した受け身営業

『日経ビジネス』(2013.11.18号)の特集テーマは「スマホ第二幕」。iPhoneの後を誰が拓くのか、次はウエアラブルといわれるが、どこが先行しているのか、などと興味深くレポートされていた。だが、それ以上に私の興味をひいたのは「経営新潮流」のコーナーで紹介されていた「受け身営業」の成功事例について。

英語でインバウンドマーケティングというそうだが、お客に認知してもらい、その後もお客が主導して成約までこぎつける受け身の営業手法である。事例として紹介されたのはトイレを中心にリフォームを手がけるサンリフレ ホールディングス (東京都渋谷区)で、年商は約 20億円。通信販売で住設機器を売る会社としては全国首位だという。

この会社の特長は、営業マンが外回り営業をしないこと。そのかわりに、見込客が知りたい情報はすべてホームページで分かるようにしている。たとえば、あなたがオフィスのトレイをウォシュレットに変えたいとしよう。知識や情報がないあなたは、何を考えるだろうか?
・うちのトイレでもウォシュレットは付くのかな?
・どこのメーカーのウォシュレットが良いのだろう?
・工事費はいくら?
・今日頼んだらいつごろ工事してもらえるのだろう?

結局、分からないことだらけなので面倒くさくなって諦めるか、それとも詳しい知人に相談するか、家電量販店まで出かけて聞いてくるか、となる。

もしあなたが知りたいことがすべてネットに答えがあるとしたら、随分ありがたいし、頼もしくもあるだろう。しかも全国のユーザーの膨大な施工事例が載っているほか、同社に施工を頼んだユーザーの声もたくさん載っている。それらを通して安さと安心感と誠実さが伝わってきたら、迷わずここにしようと思うのもうなづけるような気がする。それがサンリフレのホームページ「サンリフレプラザ」なのだ。

・お客の声 1870件以上
・施工事例集 4040件以上
・スタッフブログ 2000日以上 毎日更新中
とある。

★サンリフレプラザ→ http://www.sunrefre.jp/

スタッフブログもよく考えられている。ご覧になると一目瞭然だが、決して社員の素顔を見せることがスタッフブログの目的ではない。実はスタッフブログこそ、社員手作りの製品情報コーナーであり、品評誌「特選街」的な役割を果たしているのだ。

ショールームもあるので、同社を一目見てから契約したいという方のために来訪も促している。営業マンと直に接触するのはそこでしかない。あとは、すべてネットと電話オペレーターであり、電話対応は外注せずに、すべて正社員だという。

徹底的に受け身にこだわった見事な営業スタイルと言えよう。日経ビジネスの記事を片手にサンリフレのホームページをよくよく分析してみよう。

★日経ビジネス http://business.nikkeibp.co.jp/?rt=nocnt