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企業カルチャー その1「マイクロソフトの場合」

Rewrite:2014年3月31日(月)

知人のPさんはが2001年にアメリカ西海岸のシリコンバレーのセミナーツアーに参加した。帰国後、レポートを頂戴した。「がんばれ!社長」への掲載許可も頂戴したので、ここにご紹介したい。すでにかなりの時間を経過しているので当時と状況は変わっているはずだが、シリコンバレーの息吹を感じていただくことはできるはず。まずはマイクロソフト訪問記から。

・・・<マイクロソフト本社>

シアトルのダウンタウンから車で約40分。郊外にあるレッドモンドにマイクロソフト本社があります。大学のキャンパスのような広大な敷地に平屋のオフィス棟があり、そのまま“キャンパス”と呼ばれています。
本社の総務課長を務める日本人女性Lさんを訪ねた。マイクロソフトでは企業見学用のコースが設定されていて、今回のように本社に入館できること自体が画期的なことである。

Lさんは、アメリカの大学を卒業して帰国せずマイクロソフトへ入社。アメリカ人男性と結婚をし、年収は1,000万を越えているとの事だった。会議室に入り、Lさんのミニセミナーが始まった。

・マイクロソフトの企業風土
・マイクロソフトは何故、成功したか
・マイクロソフトの強いマネジメント力

当時のトップであるビルゲイツからLさんまで、組織として7階層あるが、彼女曰く「マイクロソフトは、社員にとって仕事がやりやすい環境である。トップのビルの心情や考えは正しく私に伝わるし、共感している」とのこと。

マイクロソフト全従業員は約3万5千人。平均年齢35歳。男性は70%で、コンピュータ大好き人間が大人になった感じ。一人一人が会社に対して何をすれば良いかを絶えず問われている。基本方針や運営の特長は次の通り。

◇Aggressive Innovation(アグレッシブ・イノベーション)
「攻撃的な改革」・・・新商品、新技術に対していつも攻撃的に取り組んでいる。いつも危機感をもっているとの事。◇Conservative Cost(コンサバチブ・コスト)
マイクロソフトは、基本的にケチである。考えろ!知恵を出せ!と求められる。
◇Always Changing(オールウエイズ・チェンジング)
状況はいつも変化している。反復的な仕事をする場合はどういう効率が出来るか、そしてなぜそれを反復するのかをいつも説明する。
◇Fun Loving(ファン・ラビング)
とても面白い事が好き。パーティーなどはしょっちゅう開催される。メリハリもあって、新商品のリリースまでは徹夜が続くこともある。楽しいことがいっぱいあるから、無理難題にも挑める。
◇Quarterly Review(四半期総括)
四半期ごとに上司と部下の個人面談が朝8時から夕方遅くまで、ランチも食べながら長時間行われるそうです。面接の視点は、自分に対する業績と上司が自分につけた成績を比べて違いをディスカッションする。

・どんな業績を果たしたか?
・仕事上、何が上手くいったか?
・何を上達すべきか?
・人生の目標に関してどんなスキルを身につけたいか?
・10年後、何をしたいか。その為にはどんなトレーニングが必要か?

業績を自分自身で売り込む。数字を上げるしかない。

Lさんの話は、衝撃の連続でした。そして社員食堂でもランチを一緒にご馳走になりました。ロビーコーナーには、いつもサンドイッチの軽食やデザートドリンクが豊富においてありました。オフィスは、個人ブースに仕切られたスペースで開発している社員やゲームに興じる社員など。

Lさんに「ゲームをしている社員は何も注意されないのか?」と質問すると、「注意されないわ。彼にも業務が数字で表されていて期限とゴールも設定されているから。アウトプットを出せば上司も何も言わないし、本人の責任の中にあるから」と答えました。
「仕事は厳しいですか」と尋ねたら「勿論、仕事はハードで厳しい。ストレスもある。しかしストレスはファミリーで開放される。そして、基本的にはもし厳しくて嫌だとか思うなら早くやめて、自分が納得できる仕事、会社を選べばいい。それが本人にとって最も幸せなはずだから」と。

・・・マイクロソフトの訪問記はここまで。

<明日につづく>