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鰯(いわし)と海鼠(なまこ)

Rewrite:2014年3月31日(月)

いきなりクイズ。
「傷みやすい魚の代表といえば鰯(いわし)だろう。そのいわしを遠距離まで輸送すると、普通なら何匹かは弱ってしまってロスが出る。ところがあるものを輸送用のイケスに鰯と一緒にいれておくと、長時間にわたって鰯は元気だという。その、“あるもの”とは何だろう?」

正解は「なまこ」だ。

これは料理屋さんに聞いた話なので、多分間違いないだろう。鰯(いわし)はなまこが大嫌いで、その恐怖から逃れるために元気よく泳ぎ続けるのだという。大好きなものと同居させるのではなく、大嫌いなものと同居させるほうが活気づくとは、なんたる意味深な理由ではないか。

鰯と人間を一緒にしてはいけないが、私たちのモティベーションにもそれに近いものがある。私たちが元気になるのは、

◇利益が得られるとき(うれしいことがあるとき)
◇損失が避けられるとき(嫌なことことから逃れたいとき)

の二つだろう。それは顧客も同じだ。「得られる利益」「避けられる損失」の二つが、支払金額よりも大きいと分かったときに、人は即座に活性化しほしくなる。マーケティングとは、この二つの欲求に直接働きかける活動をいう。

マーケティングとは販売を不要にする活動だというが、販売が要らなくなるほどニーズにかなった製品やサービスを提供すれば、お客はなまこの前の鰯(いわし)のように元気づいてくれるはずだ。