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ダッチミラクル

今後、世界のビジネス拠点としてどこがもっとも魅力的か?

エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)のビジネス環境レポートで、今後5年間予測のビジネス拠点として、オランダを世界NO1に評価した。
http://www.nfia-japan.com/info/materials/newsletter/69_3.html

世界60ヶ国を対象に、70項目のファクターによって評価したもの。ごく一般的な印象では、中国や香港、台湾、ドイツや(日本)が上位に来ていそうなものだが、結果はそうではない。

1位 オランダ
2位 英国
3位 米国
4位 カナダ
5位 シンガポール と続く。

遺憾ながら日本はどこにも顔を出していない。

オランダ経済の強さについては、『オランダ産業投資ニュース』
http://www.nfia-japan.com/info/materials/newsletter/68_2.html

そのオランダが、1980年代には「オランダ病」といわれるほどに深刻な経済不振にあえいでいたのだ。今となっては信じられない。この20年間にオランダはいったい何をやったのだろうか。

ここで、『リストラと能力主義』(森永卓郎著 講談社現代新書)の一部を引用してみたい。

以下引用・・・

最近のビジネス界で、経済の成功例として引き合いに出されるのは、全面的な市場原理を採用したアメリカやイギリスの経済システムばかりだが、オランダはまったく違うアプローチで、低い失業率と安定した雇用関係、さらには安定した経済成長を続けている。そして、その繁栄は「ダッチミラクル」とまで呼ばれるようになっているのである。オランダでは、1982年に賃金の抑制やパートタイム雇用の促進などを定めた政労使による「ワッセナー合意」がなされ、ワークシェアリングを積極的に進める雇用政策がとられるようになった。

・・・引用終わり

詳細をお知りになりたい方は、この好著をお薦めする。

さて、「オランダの奇蹟」を引き起こした理由のひとつにあげられるものは、働く環境づくりの改革である。人々のライフスタイルや価値観を十二分に認め、画一的でない就業環境づくりを国全体で行ったのである。
短くいえば、膨大なパートタイム労働者を創り出したのだ。その方法は、フルタイマーとパートタイマーの待遇格差の是正。均等待遇を実現したことによる。労働単価に違いはない。法的にも担保されている。

日本では賞与などを含めると、正社員とパートタイマーの労働単価には2倍以上の開きがある。
正社員2,327円:パートタイマー1,081円(98年労働省調査)

オランダでは国をあげて、賃金抑制による失業者削減を狙ったのである。「所得よりも雇用確保」が重視されたと言えよう。

このオランダの成功は何を意味するか。

ひとつは、市場原理の導入だけが経済の救世主ではないということ。「リストラと能力主義」だけが唯一の処方箋ではない。賃金抑制によって仕事を分かち合うという方法も真剣に考えなければならない。

あとのひとつは、能力主義一辺倒が企業人事のあり方ではないということだろう。評価賃金の制度もたった一つのものだけでは立ちゆかなくなってきている。

働く人たちは人間だ。当然のことに、働く目的も違う。

・たくさんの収入を稼ぎたい
・出世して権限を持ちたい
・有名になりたい
・好きな仕事だけに専念したい
・個人生活を大切にしたい

おのずと企業の人事制度も画一的なものから、ある程度柔軟性をもたせたものが必要になるだろう。社員を規格にはめるのでなく、いろんな社員が一つの会社にいても良い。そんな自由度を保った魅力的な企業が中小企業やベンチャー企業の中から生まれてほしい。

「ダッチミラクル」のあなた版を作るのだ。