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財務の目標

今日、申し上げたいことは財務について。

愛知中小企業家同友会で経営計画作りに関する勉強会を開いてきた。これまで4講座で、のべ100社ほどが受講してこられ、その過半数が修了証書を手にされた。
仕事のあいまをぬってのコース参加で、しかも普段はあまり吟味しない決算書をもちこんでその内容を詮索するのは楽しいこととはいえない。
でも受講料を回収し、会社の将来展望を描くためには社長自らが勉強するのだと決意して参加される。

こうした講座に参加される会社では、もともと財務に関する目標をもっておられる会社はきわめて稀のようだ。たとえば、つぎのような項目だ。

・自己資本比率に関する計画
・総資産の絶対額に関する計画
・適正な現預金を常時確保するための計画
・在庫コントールに関する計画
・借入金の最少化に関する計画
・効果的な資金調達に関する計画
・余裕資金の効率的な運用に関する計画
・売掛金回収に関する計画(回収サイトと支払いサイトのバランス)
・設備投資と減価償却に関する計画
・仕掛品や仕掛工事の圧縮に関する計画
・ROE(自己資本利益率)またはROI(総資産利益率)の計画
・・・etc.

これらはすべて財務に関する目標だ。
社長みずからが財務に秀でている会社では、間違いなくこうした財務目標をもっており、バランスのとれた経営がなされているはずだ。

貸借対照表に関心をもとう。今以上に。わずかな時間を割いて勉強されれば俄然おもしろくなるのが貸借対照表というものだ。
経営者がマークすべき財務指標はそんなに多くはない。収益性と安全性の2点だけを見ればよい。合計しても5~6個ほどの指標を覚え、それらを改善していく目標をもてば充分だ。

サンプル書式を用意した。
http://www.e-comon.co.jp/taisyakuform.htm

このサンプル書式を使って、上場企業がどのようになっているかも掲示した。数字は4年前のものでちょっと古いが、キーエンス、日本電産、サークルKジャパンの三社を掲載した。
http://www.e-comon.co.jp/zaimuhikaku.htm

このように財務は、他社と比較したり、過去数年の推移をみたりするとその変化が一目瞭然である。
また、こうした勉強には日本経営合理化協会の『野望と先見の社長学』が最適だと思う。スター精密元社長の故・佐藤誠一氏が現役の社長時代に書き上げた渾身の遺作だ。