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続続・経営思想に関する問題

経営思想に関する出題と回答。昨日のつづきをお届けしたい。

4問目。
「会社は永続的発展をめざす。事業承継時に後継者が大切にすべき
とは、先代社長との違いがどこにあるのかを社員や外部企業に対し
明確にすることである」

正解は「いいえ」である。

最近、後継経営者ばかりが揃う会場でこの問題を出したところ、ほ
全員が「はい」と回答した。
社員や取引先から甘くみられたくないためか、それとも課題が山積
ていてやりたいことを思う存分やれるという気概があるせいか、と
かく先代との違いを早く打ち出したいようだ。
だがその前にやるべきことがある。先代の功績をたたえ、自分たち
いままでの歩みや実績に対して誇りをもつことであり、周囲にもそ
を訴えることである。先代を悪人か罪人のように扱って冷遇する会
も散見するが、そういう会社に良き伝統は生まれない。

最後の5問目。
「社長にとって一番大切なことは何かといえば、倒産しないことで
る。万一の倒産で社員や取引先を路頭に迷わせたら、その罪は一生
けてでも償わなければならない」

正解は「いいえ」。

倒産しないことが大切なのではない。資本主義制度の仕組みの特徴
して「倒産」「破産」という制度がある。ゲーム続行が不適格と見
された法人や個人を退場させる意味がある。被害がそれ以上大きく
らないようにするためだ。
そしてそこから何かを学んで再起を図ろうという人にはそれも許さ
ている。トランプ大統領がたび重なる投資の失敗で破産をくり返し
ことや、浮気などが原因で二度の離婚をしている話は有名だが、失
できることが資本主義や自由主義の特色といえる。

倒産・破産することが悪いことではない。生きながらえようと汲々
して覇気をなくすことが一番わるい。いや、ゲームのルールを理解
ていないもったいない生き方だと思う。

以上、経営思想に関する出題と私の回答を終える。
再三申し上げているが、正解はひとつではない。異論もあって然る
きだと思う。ただ、なぜそのように考えるのかは明確にしておかね
ならないはずだ。