顧客創造、マーケティング

続・サブスクリプションに舵を切る

一昨日の続き。

サブスクリプションとはビジネスモデルの一種。利用者がモノやサービスを買うのではなく利用した期間に応じた料金を支払う方式のサービスメニューのこと。
古くは新聞や雑誌の定期購読がそうだし、AmazonのプライムビデオやNetflixなどの動画会員もサブスクといえる。

サブスクリプション(以下「サブスク」)の波はありとあらゆる業界に波及している。アメリカでは航空業界にまで乗り放題サービスが誕生した。アメリカの主要76都市をつなぐ700の航空ルートが、月額たったの2,950ドルで乗り放題。
仕掛けたのはアメリカの旅行代理店「OneGo .Inc」で、2016年2月からこのサービスをスタートし、出張の多いビジネスパースンに喜ばれている。

日本でも身近なお店にまでサブスクメニューが広がっている。
月額8,600円でラーメンが食べ放題になる『野郎ラーメン』が世に登場して1年半。一杯800円のラーメンなのでひと月で11杯以上食べると元をひく。こってり系の豚骨が大好きな人にとってはラッキーなサービスだろう。
★野郎ラーメンのサブスク→ http://fr-h.co.jp/news/subscription

東京・蒲田にあるミノラス食堂は今年からうどんのサブスクを始めた。わずか月額540円で1日1杯、かけうどんが無料で食べられる。
トッピングやサイドメニューが欲しい場合や、うどん以外の食事をしたい場合は、登録してある銀行口座かクレジットカードから翌月末に引き落としになる。
★ミノラス食堂のサブスクリプション
→ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000036620.html

こうした一方で、鳴り物入りでスタートしたサブスクが失敗に終わったり、頓挫したままの会社もある。
紳士服のAOKIはサブスク型スーツレンタル「suitsbox」の終了を発表した。開始からわずか半年での撤退となる。期間中の社長交代劇などお家の事情があったとはいえ、サブスクを成功させるのは容易ではない。
こちらの日経クロストレンドの記事は、キリン、ガリバー、キャデラックなどでのサブスク苦戦ぶりを伝えている。
→ https://trend.nikkeibp.co.jp/atcl/contents/casestudy/00012/00105/?P=2

大手家電メーカーもサブスクに注力している。パナソニックは最新テレビを定額で利用できる「安心バリュープラン」を開始した。テレビもついに所有から利用へと価値が移行するのだろうか。
★パナソニック「安心バリュープラン」
→ https://ec-club.panasonic.jp/product/anshin-value/

サブスクリプション導入は、うまくいけば、企業にとって万々歳だ。
企業と利用者がウィン・ウィンの関係で結ばれ、ともに潤う関係のサブスクを目指したい。それを忘れてご都合主義のサブスクに走ると、契約が増えなかったり、悪評をたてられるリスクもある。毎月の利用料が購入金額よりもかなり高くついてしまうことがあっては、「結局、サブスクって割高じゃないか」と思われてしまう。

単純な料金前払い、顧客囲い込み型の安直なサブスクもどきサービスでも成功しない。そもそもサブスクの最大の魅力は、利用者の増加と提供する役務の増加が正比例しないことである。

サブスクリプション導入にあたっては、まったく新しい事業を立ち上げるつもりでメニューを考案すべきだろう。

・顧客本位のよく練られたメニューになっているか
・サービスの価格は妥当か
・持続的に会員が増えていくことが期待できるメニューか
・サービスを安定提供できるバックヤードが整っているか

など、考えることやテストすべきことがらがたくさんある。
乗りこえるべきハードルは大きいが、サブスクリプションが企業にもたらす利益は計り知れないものがあると私は思う。