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成果=立案力×遂行力

Rewrite:2014年3月30日(日)

広告デザイン会社の森社長とお会いした。自称「ボヤキの森」というくらいボヤキが多いので有名だが、憎まれない人柄のせいで、どこか愛嬌がある。

「武沢さん、とにかく私には時間がない。全然時間が足りなくてお話しにもならないんですよ。このままじゃ志なかばにして人生がタイムアウトになるのがわかってる。何とかせにゃならんが、来年で還暦ですよ、還暦!」

息子さんが商社を辞めて森さんの広告会社に入ってくることが決まった。森さんからみれば想定外のことであり、俄然やる気が出てきたというのだ。

「あと5年くらいはせがれと二人三脚で会社経営をして、安定した基盤を作ってしまいたい。それが私の役目です。今までマイペースでやってきていたものがあと5年しかないと思うと、とたんに毎日の時間が宝物のように思えてきたのですよ」
「それは結構なことじゃないですか、どうしてタイムアウトになるなどと悲観的なことをおっしゃるのですか?」
「社長業の多忙さは武沢さんもご存知ですよね。やることだらけだから焦ってる(笑)」
「森さん、そういう状態だからこそ計画が必要なのじゃないですか?」
「いやぁ、広告業界は今、変化が激しいので先行きの計画を作ってもあまり意味がない」
「だから作るんですよ」

森さんの焦りのような気持ちは理解できるが、焦るからこそ計画をきちんと作る必要がある。

森さんに必要な対策は「もっとがんばること」ではなく、立案することである。なぜなら『立案力×遂行力』が経営成果なのだから。遂行力だけでカバーしようとするのでなく、立案力を高めることで遂行力が活きてくるのである。