その他

以前とは違う新しい成功者像

昨日バンコクに到着。
広島から参加されたFさんと空港で合流し、タクシーで市内へ向かった。
水曜日の午後7時だから渋滞も緩和していると思ったのが大間違い。
スクンビットのホテルまで1時間半(約400バーツ)かかった。
夜も遅いので夕食はFさんとモールのフードコートへ。
45バーツ(約150円)のトムヤムラーメンを食べて部屋でシンハービールを飲んで寝た。

今からホテルの朝食をいただくが、今日、これからが本番。
12時半から「バンコク経営講座」がある。
例年12月に行っている5時間の講座だが、今年は11月開催にした。
対象は現地の日本人経営者約10人と、日本から参加される数名の経営者。

講座のあと18時半から特別イベント『世界起業のススメ』出版記念講演もある。
WAOJE(ワオージェ、前の「和僑会」)の定例会とのジョイント開催だが、規模などは不明。
とりあえず数十人分の資料を持参している。
筒井修WAOJEファウンダー、白川博司通販コンサルタント、武沢の三人が講演する。
明日か来週のメルマガでレポートする予定なので、お楽しみに。

さて、バンコクの講座資料をつくるために調べ物をしていたら、偶然面白そうな動画を見つけたのでそのお話しをしてみたい。

スピーチイベント「TED」の動画で『独創的な人の驚くべき習慣』という演題。
アダム・グラントというスキンヘッドの若い組織心理学者が話しており、彼は「オリジナルな人」の研究をしているという。

17分間のグラントの講演は最初から最後まで実に面白かった。
そして私は思った。
時代が変われば成功の仕方も変わる。
当然、成功者像も変わってくる。
「成功哲学」のようなノウハウ本も全面改定せねばならないだろう

それはこんな話だ。
7年前の夏休み直後、グラントの元に学生がやってきた。
投資して欲しいという。
彼は投資家でもあるのだ。
「友達と3人で会社を立ち上げ、オンライン販売に参入し、業界を賑わせるつもりなんです」
楽しそうな話なのでグラントは彼らに意気込みを確認した。
するとどうだろう、彼ら全員がこの夏休みは「アイデアが失敗した場合に備えインターンシップに行ってきた」と答えたのだ。
”失敗に備えて就活するなんて、なんだそれ!コミットメントしてないじゃないか。君らに起業がうまくいくとは思えない”。
私ならそう言うはずだ。

だが心優しいグラントはこう質問した。
「大学を卒業したらオンライン販売のためにフルタイムで働くんだよね」
するとふたたび驚かされた。
彼らは「いいえ、全員が念のため別の仕事にも就きます」と言うのだ。

さすがのグラントも彼らと距離を置いた。
そして6ヶ月が過ぎた。
会社のローンチ前日になったので様子を確認したところ、ウェブサイトがまだできていないという。
温厚なグラントでも声を荒げた。
「君らの会社にとってウェブサイトは生命線なんだぞ。サイトがなくちゃ話にならない」
そして、投資を断った。

彼らがその後につくった通販会社は「ワービーパーカー」という
ニューヨーク発のアイウェア(メガネ)販売の会社で、オシャレで知的、しかも世界で最もイノベーティブな会社と称されるにいたる企業を彼らがつくったのである。
企業価値は10億ドルを超えたともいわれている。
グラントは投資家として彼らを見抜けなかったことを悔い、今後の投資判断は妻に任せることにした。

グラントいわく、投資先としてふさわしい人々は、今まで思い描いてきた人物像とはまったく違ってきている。
従来の成功者像は、不屈の信念と燃える情熱があり、仕事のスピードは早い。
アイデアや計画の実行と達成にフルコミットしているのが特徴である。

だが最近はそんなタイプは減ってきて別のタイプが増えている。
グラントは自分の専門でもある「オリジナルな人」(要するに次世代の成功者)を研究しているが、それには次の三つの特徴があるという。

1.先延ばし魔(ギリギリまで出さない。あとだし寸前)
2.不安がり(自信に満ちているとはいえない)
3.失敗が多い(小さめの失敗を何度も)

(  )内の補足は武沢の解釈

これって失敗する人の特徴じゃないかと思うほど、成功者像も変わってきているようだ。

もしこれをお読みのあなたが上記三つのうちどれかに当てはまるなら次世代型成功者の仲間入りかもしれないし、すでに成功しておられるのかもしれない。

<来週につづく>