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ビジネスのサブスクリプション(定期購入)化をめざす

この春、Amazonの Prime 会員数が世界で1億人を突破した。
アメリカでは5月から Prime会員の会費を99ドル(約11,000円)から約20%値上げし、119ドル(約12,000円)とした。
にもかかわらず会員数はその後も順調に増えているという。

国によって Prime 会員の会費は異なるが、仮に平均1万円とすると、1億人いるので1兆円が毎年口座に振り込まれてくる。
会員を維持するには相当額の投資が必要なので丸々1兆円が手元に残るわけではないが、同社のキャッシュフロー改善に大きな貢献をしていることは間違いない。

あやかりたい。
私たちもそうした巨額の安定収入がほしい。

Prime 会員のような会費が入るようにしたいと願うわけだが、安定収入をつくることができるのは「会費」だけとは限らない。
たとえば私が毎月3,000円消費しているマルチビタミン剤は立派な「サブスクリプション(定期購入)」商品である。
定期的に消費する・消耗する・利用するようなモノやサービスを開発することができれば、あなたの会社の経営はグーンと安定する。

Microsoft や Adobe のソフトウエアも「サブスクリプション」で成功した。
以前はExcel を使うのに○万円、フォトショップを使うには×万円といった高額なお金でパッケージを買い、パソコンに組み込んで利用していた。
ソフトが高額なので不正コピーする人が出たり、バージョン管理が煩わしくなったりして混乱していたが、最近はやり方を一変させた。

毎月(毎年)の利用料を払ってソフトを利用するクラウドサービスに切り替えたのだ。
まとまった金額を支払わなくても、毎月(毎年)決まった金額を払って最新のバージョンのソフトを使い続ける。
用者もそれを支持し、Microsoftも Adobeもいま、最高益を更新しているのである。

「サブスクリプション(定期購入)」は人気のラーメン屋にも当てはまる。
行列に並んでくれるということは、30分後か1時間後の予約をしてくれているわけだ。
このような行列や順番待ちはすべての会社で作れるはずだと私は思う。

問題は社長や店主がそれをしたいと思っているかどうか。
うちなんかでは行列など出来っこない、と決めつけていたら本当にできない
私の行きつけの理容店は順番待ちができている。
1ヶ月先までビッチリ予約で埋まっているのだ。
以前は次回の予約をして帰っていたが、最近は次の次の予約を入れて帰らねば希望日にやってもらえなくなった。

近所には予約が一件も入っていない床屋がある。
いつ誰が入店してくれるか分からない業績不安定な床屋だ。
腕前にそれほど差があるとは思えない。
むしろキャリアでは不安定な店の方に分があるように思う。
店長の人柄や店内の雰囲気だってそれほどの差はないし、値段にいたっては不安定なお店のほうがすこし安い。

両店に差があるとすれば「予約しておかないと次は入れない」という状態を店主が作ろうと思ったか、思わなかったかの違いだけなのだ。
売上げを伸ばすためには新しいお客さんを作る必要があると思い込んでいる経営者が多いが、すこし冷静になって考えてみよう。
ラーメン屋の行列のなかに新規客が何パーセントいるかを。
おそらく行列の過半数はリピーター、つまり既存客である。
既存客に何度も買ってもらうようなものを開発したり、既存客にさらに高額なものを提供できるようになることで業績は向上する。

思いついたらやってみる。
ダメだったらすぐにあきらめる。
そんな腰の引けた販売促進活動を100年やってみたところで企業は良くならない。
腰の据わった継続的な取り組みで初めて結果が出るものだ。

そういう意味からおすすめしたいのがこちらの音声ファイルを何度も何度も聴くこと。
あなたのアイデアに自信がもてるようになるまで何度も聴こう。
「オクゴエアカデミー」の北岡秀紀さんがご自身の勉強会で語っておられるものを収録したもので、テーマは『お客さんのウエイティング(順番待ち)を作ることと集客の違い』というハッとする内容。

脱線がなく濃厚な1時間講義ながら、ワンコインでダウンロードできる。
この機会に、あなたにもぜひお聴き願いたい。
→ https://okugoe.com/rd.php?aid=030