★テーマ別★

尊敬ではなく、かっこいいからあこがれる

私は「Pinterest」にも画像を貯め込んでいるが、ときどき見たことがないような画像に出会ってビックリする。たとえば日露戦争のとき連合艦隊司令長官だった東郷平八郎などは、映画俳優としてもチヤホヤされたであろう容姿をもっていた。晩年も凜々しいが、留学生だったときなどいまのイケメン俳優以上に男らしい。
東郷ほどではないが、福沢諭吉がパリに行ったときの写真も涼やかな目で美しい。漁師として海に出ているうちに難破し、アメリカに保護されたジョン万次郎氏の写真も目力がある。

反対の例もある。
田舎くさくて垢抜けない若者だったのに、年齢がすすむうちに実力と自信をつけ、晩年にオーラが出ていた人がいる。薩摩の大久保利通がそうで、若いころの写真をみても似て非なる人物にしか見えない。

「武沢先生、渋沢栄一のイメージってどんなものですか?」と H 社長に聞かれた。
「蝶ネクタイしたおじいちゃんというイメージだけど」と私。
「でしょ、どうみても田舎のおじいちゃんですよね」
「事実、そういう人だったからしようがない」

すると H 氏はこう言った。

実は画像検索したら若くてかっこいい渋沢の写真が見つかったのですよ。学校の教科書はなぜか晩年の写真しか使わないけど、子どもに良い影響を与えるのは若いときの写真ですよ」

たしかに教科書の写真が与える影響は大きい。年老いた偉人の姿を見せられてもなにもリアリティがないが、自分とあまり年齢差がない人がすごいことをやったと知らされると、人は発奮するものである。

かっこいいか、かっこ悪いか。その差は大きい。
企業の経営計画書も格好よくなければならない。まず装丁やデザインがかっこいいこと。次に内容(文章や画像)が格好いいこと。
何なら動画も貼って、インタラクティブ(双方向的)な経営計画書が次世代型のものになるだろう。

そういうものをまず自社でつくってみたいし、これをお読みのあなたにも挑戦してみてほしい。