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「レンタルじいさん」と「おっさんレンタル」

2010年の上海万博では人気パビリオンに長蛇の列。特に中国館にいたっては前もってチケットを手に入れていないと列に並んでも入れなかった。せっかく並んでいても後から来た人が強引に追い抜いていくのでそれをブロックするためのストレスも生半可なものではない。

そんなとき、車いすに乗った障害者や75歳の以上の高齢者とその家族は並ばずに入館していた。中国も身障者や高齢者には優しいのだな、と思ってその光景をみていた。

すると、ある一家が入館するやいなや、障害者が車いすからスックと立ち上がって見物を始めた。
「あ、偽装だったのか」と苦々しく見ていると、車いすを押していた人たちと別行動するではないか。
「あれはどういうことですか?」と中国人同行者に聞いたところ、笑いながら「契約関係」なのだという。万博会場の中か外にプラカードを掲げて営業するのだそうだ。「私をレンタルします」と書いたプラカードを掲げ、車いすに乗っている。75歳以上の高齢者であれば、車いすもいらない。

以前から同様の”サービス”があったが、一躍有名になったのは上海万博から。通称「レンタルじいさん」。
相場は日本円で約3,000円程度。「レンタルじいさん」たちにしてみればタダでパビリオンに入場ができる上に、一日契約なら食事などもご馳走になれる。地元の人にとってはかなりおいしい仕事だったらしい。

万博も後半戦になるとこうした不正があることが運営者に知られることとなり、チェックが厳しくなった。身分証明が求められたり、生年月日、氏名、双方の関係などが確認されるようになり、不正入場がしづらくなってしまった。

それにしても「レンタルじいさん」とは、いかにも中国らしい発想のビジネスである。猛暑の上海万博会場でフラフラになって並びながらそのたくましき商魂に感心した覚えがある。
だが、最近になって、日本にも「おっさんレンタル」というサービスがあると知って耳を疑ってしまった。

イケてると勘違いしているおっさんを1時間1000円からレンタル予約できるサービス」だという。
始めたのは西本貴信さんという40代の男性。
もともとファッションプロデューサーをされていたそうだ。外見はとてもおしゃれで若々しい印象だという。
具体的にどのようなサービスをしてもらうのかは人それぞれ。洋服を選んでもらいたいと希望する方もいれば、一緒に飲みに行って欲しいという人もいる。ビジネスのコンサルタントを依頼する人もいる。
交通費や飲食代などが別途必要になる。

このサービスにある程度の需要があったのだろう。いまでは西本さんの面接試験に合格した「おっさん」たちがこちらのホームページにたくさん載っている。
→ http://ossanrental.thebase.in/

歌がうまい、楽器を教えられる、聞き上手、などなど「おっさん」それぞれが個性を打ち出している。しかも全国的に「おっさん」の数が不足しているそうだ。こうしたサービスに需要があるということに少々驚きを禁じ得ない。