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ある広告代理店の幹部会議

先日ある方に「武沢さんって、かなりたくさんの会社の会議に出席していらっしゃるのですね」と言われた。
その通りで、毎週複数回、どこかの会社の会議・ミーティングに出ている。会議に参加するとその会社の現状が実によくわかるし、勉強になることが多い。会議のやり方そのものに、会社の個性がでる。

会議は定刻に始まり、定刻に終わるのが望ましい。定刻前に始まり定刻前に終わることがあっても構わないが、後ろにずれ込むことは避けたいものだ。お互いのためにも。

最近、ある広告代理店の幹部会議に出席したところ、5分前には全員が勢揃いしたので、5分前に始まった。
議長(専務)が配布した「進行表」に目を落とすと、次のようなことが書かれていた。こうした「進行表」をもとに会議が進められる会社は少数派だ。

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◇報告事項5案件(17:00~17:25)

役員メッセージ「先月の総括と今月の課題」(専務) 5分
A 営業所長 月間報告 5分
B 営業所長   〃  5分
C 技術部長   〃  5分
D 管理部長 月間報告 5分

◇決議事項2案件(17:25~18:05)
1.広告新メニューリリースの時期について(営業部長)20分
2.来期新卒者の採用計画について(人事部長)20分

◇審議事項3案件(18:05~18:50)
1.競合他社の近況について(営業部長)15分
2.クラウドサービス導入の見通しについて(技術部長)15分
3.資金調達多様化の是非について(財務部長)15分

◇自由討議、議長総括(18:50~19:00)

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しっかりした会社である。会議の案件が「報告」「決議」「審議」の三つにきちんと分けてある。
「報告」については説明の必要がなかろうが、「決議」と「審議」については次のように定義してあるそうだ。

「決議」・・・その場で意思決定をしたい案件
「審議」・・・その場で意見交換し、考えを深めたい案件(結論を出すこ
とにはこだわっていない案件)

この広告代理店では月初と月中の二度、幹部会議を開く。毎回17時から19時まで行われ、会議責任者の専務が前日までに議題案件をとりまとめ、進行予定表を作成する。

発表者はパワーポイントをつかって発表するが、同じ資料が参加者のタブレットやスマホで確認できるようになっている。当然ながら、参加者全員がきちんと準備をしてくるのが当たり前になっているのだ。

心地よい緊張感で2時間の会議が終了した。
何事につけ計画的に仕事をするのがこの会社の社風らしく、社員はいずれもよく鍛えられている。会議に出るとその会社の管理水準が実によくわかるものだ。