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ある創業社長の日課

最近 A 社長に、「どうすれば人に影響を与えられるリーダーになれますか?」という質問を受けた。
A 社長はまだ24歳と若く、会社をつくって2年目。今年初めて技術部門に社員を二人採用したものの、自らのリーダーシップの足りなさを実感しているという。相手に対して遠慮してしまい、本当に言いたいことを言えずに悶々としてしまうらしい。

メンバーに対して遠慮をするということは、目標達成に対して本気になれていない証拠。つまり経営計画書に対する真剣味が足りないのでは?と申し上げたところ、「そうですかねぇ?」と首をかしげている。私のアドバイスが彼には響かないようだ。

そこで私はある創業経営者(71歳)からその日の朝いただいたばかりのメールを読み上げることにした。すさまじい日課が書かれているものである。すると彼の表情はみるみる神妙なものに変わっていった。

(以下、頂戴したメールをもとに若干編集しました。文責:武沢)

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人は習慣でできているといわれます。良い習慣は当然良い結果を生むことを私たちはよく知っています。(スポーツ、勉強・・・)
私は24歳から始めて71歳になった今年まで47年間欠かさず続けていることがあります。最初は税理士の資格試験に合格するためでした。
昼間は仕事で忙殺されますし、夜は遅くまで働くので家では疲れて眠るだけ。だったら朝しかないと思ったのです。
「毎朝4時から勉強する人間はいないはずだ」・・・神様は褒美をくれるはずだと信じて始めました。
税理士試験に合格するまでは自分を甘やかさない、言い訳もしないために、365日欠かさず勉強すると決めました。夜は誰とも付き合わないし実家にもいかないことにしました。

当時、経営や数字についてはド素人で無学な人間だった私が4時起き勉強のおかげで毎年税理士試験に1科目ずつ合格しました。何年かして、私は念願の税理士試験に合格しました。そのときは本当にうれしくて、自己規制の勝利だと思いました。自信になりました。

その習慣は税理士になったあともずっと続いています。
毎朝4時起床を続けています。起きてすぐに本を読みノートをとり、アイデアを書きとめます。お客様や社員に対して大切なメールを書き、その後、ノートを持参して1時間散歩します。毎日1.5万歩歩きます。
この3時間におよぶルーティーンを今も続けているのです。4時台に届くメールに驚かれる方も少なくありません。

毎日4時から7時までの3時間の自己啓発を一年休みなく続け、それを47年間続けると3時間×365日×47年間=51,465時間になります。
一日の仕事時間を8時間とするならば、51,465時間は6,433日分、つまり17年間に相当します。私は平均的な人より17年間、余分に働き、その全時間を自己啓発に充ててきました。

当時私は北海道に住んでいましたから、真冬の4時起きは身体にも心にも厳しいものでした。水道は凍り付き、全身が寒さでガタガタ震える日もありました。しかし、もっと過酷な環境で働いている人たちもたくさんいることを思い出し、自分に鞭打ちました。そして、掲げた目標を繰り返しくりかえし毎日読みました。そのあと、自分に言い聞かせました。
「私はできる!」「私は必ず成功するのだ」と。その習慣が私を目標へ、目標へ近づけると信じてつづけました。

試験合格後、小さな税理士事務所を立ち上げました。かびくさいニオイのする安い家賃の雑居ビルでしたが、私は一国一城の主となりました。社員に対しても「真剣にやればもっとできるはず」と自分に厳しくすることを要求しました。私ができたのですから、私より優秀な社員にできないはずがありません。厳しく指導することが社員のためになると信じて、社員を甘やかすことはしませんでした。この会社は30年経った今、150人を超えるコンサルタントを抱え、全国各地に自社ビルを保有する経営コンサルティング会社に成長しました。
次々にくり出される弊社の指導ノウハウは、毎朝の自己啓発時間がきっかけになって完成したものばかりです。

さて、朝を制覇し、時間を制覇して税理士になった私は、お客様である経営者の手本となるべく、そして、倒産しない経営を実践すべく、お金を制覇する挑戦を始めました。

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私もメルマガを始めた当初は4時起きを続けたことがある。だが2年でやめてしまい今では6時起き。47年にわたって継続中とはすごい。
N 会長、貴重な体験談のご披露、ありがとうございました。

<あすにつづく>