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その「怒り」は不要のはず



「怒りっぽいのは自分の性分だからしようがない」と感情をコントロールできないことに対して開きなおってしまっている経営者や管理職がいる。そんな人でも、10年前、20年前はどうだったかを聞いてみると、以前はそれほど怒りっぽくなかったことがわかる。

怒りの感情をぶちまけたことによって周りがシーンと鎮まった。自分の主張を受け入れてくれた。そう本人が思ったことによって、人は次回も感情的になる。大声で泣けば親が構ってくれることを学習した赤ちゃんと同じである。

時には部下を罵倒して会社を辞めさせる上司もいる。30分も1時間も説教をつづける上司もいる。
本来なら、部下が辞めたことによって新たに発生する求人費を、辞めさせた本人(上司)から徴収すべきである。
長時間の説教は、本人と部下の人件費を本人の給与から控除すべきである。

「アンガーマネジメント」という学問があり、書籍もたくさん出ているが今のところ教職者用のものが多い。できれば、ビジネスの現場で使える「アンガーマネジメント」の本や研修が増えてほしいと思う。
専門家に話をうかがったところ、怒りっぽい人にはいくつかの共通点があるそうだ。

1.○○すべき、という「べき」がたくさんある。
その「べき」は後輩や部下もあなたと同じように尊重しているのだろうか?

2.自信家
自信があることは良いことだが、自分はもっと評価されてしかるべきであり、尊重されるべきである、という気持ちが強すぎると、軽んじられたように思うことが多くなって周囲に攻撃的になる。

3.コンプレックス
成績が伸びていない、誰かに立場を脅かされている、個人的な悩みを抱えている場合などに、それを防御したり不安をまぎらわすために虚勢を張る必要が生まれる。

4.正義感がつよい
仕事の隅々にまで精通している。妥協したくない。世の中の不正も許せない、という正義感が強すぎると周囲の不正やミスを許せなくなる。

5.好き嫌いが激しい
好きか嫌いか、OK か NG か、二者択一しかないと思っていると清濁併せのむことができなくなり、狭量になる。

6.主張しなきゃ損だ、と思っている
自分はいつも損な役回りが多いので、これ以上損しないためには、少しぐらい得をさせてもらって丁度よいと思っている。従って、がめついぐらいの主張を平気でするようになる。

7.怒り方・叱り方をひとつしか知らない
大声を出す、感情的になる、という方法以外に自分の気持ちを伝える方法を知らない。
「僕のはらわたは煮えくりかえってるんだよ」と落ち着いた笑顔で言う方法もあれば、がっかりした声で「君に期待してたんだけどなあ」と一言だけ言う方法もある。感情表現と部下指導のバリエーションを増やそ
う。

なるほどなあと思いながら専門家の話を聞いていた。
私もときどき感情的になることがあるが、その原因が幾つか思い当たった。