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「現場は疲弊しています」




動くボール、というのに手こずり、侍ジャパンは準決勝でわずか4安打で敗れ去った。これで2大会連続で4位に終わった WBC 日本代表。

小久保監督は「責任はすべて私にあります」と監督辞任も同時に表明した。「選手はよくやってくれた。敗北の責任は選手にありません」とも語った小久保監督。敗軍の将としては、それ以外、言う言葉が見つからないのだろう。だが、本当の意味での「敗軍の将」は小久保監督ではないはずだ。

企業の場合でいえば、儲からない責任は社員にあるのか、社長にあるのか。そんなことを考えながら、ある会社の会議に参加した。
会社に到着して、まっさきに「営業部長が本日欠席です」と伝えられた。「え、今日のテーマは営業対策では?」と思ったが、「風邪の疑いで病院へ行かれました」と聞かされると、「心配ですね、お大事に」というのが精一杯だった。
予定通り会議は開かれた。本来なら営業部長から、下半期の営業強化計画が提出される会議だったのに、主役不在の会議である。

「専務、社員は疲弊しています。これ以上社員に無理をさせることはできません」と工場長が言った。専務が休日出勤による売上増強策を提案したからだ。

私は工場長が言った「ヒヘイ」という単語が真に迫っており、本当に疲れ切った現場を想像してしまった。そのせいだろうか、工場長自身もかなり疲弊しているようにみえた。

工場長の発言を聞いて、皆、押し黙った。
「現場は疲弊している」という責任者の言葉に、新しい試みのすべてを否定された気分になったようだ。工場長にはその意思がなかったにせよ「疲弊」という単語にはそんな破壊的な響きがある。

現場管理者としては、社員を疲弊させないために何ができるかを考えて欲しい。安直な管理職であれば、「人を増やす」「賃金を増やす」「休みを与える」といった対策しか思いつかないだろう。
それらは、外から元気を注入する外科的な治療法である。しかもすべて経費アップを求めるものばかりである。

まったく出費を伴わない内科的治療法、漢方的治療法があるはずだ。
それを考え出すことができる管理職であれば、「現場は疲弊しています」という発言はしないのではないか。
会議が進行していく中、私は「疲弊」という単語がずっと引っかかっていた。

そこでクイズ:
現場の「疲弊」を緩和するために、管理者としてあなたはどのような対策を講じますか?

内科的・漢方的な対策をお聞かせください。
info@e-comon.co.jp「私の疲弊対策」
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