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続・100%の出席率を求める

(一昨日のつづき)

1.「残業ゼロ」の会社にする
2.懇親会やイベントへの社員出席率を100%にする
3.経営計画発表会への社員出席率を100%にする
4.社員旅行への社員出席率を100%以上にする

こうした会社を目ざしませんか、という私の提案に A 社長は、「そんなことが可能ですかね?」と首をかしげた。
「まず、可能か不可能かを考えるのではなく、やりたいかやりたくないかじゃないですか」と私。
「手本となるような前例があるのなら当社でもやれるでしょ。もし前例がないのなら、うちにもそれはムリです」とでも言いたそうな顔のA 社長。もっと企業家的にものごとを考えていただきたい。

そこで私は『稲盛流コンパ 最強組織をつくる究極の飲み会』をご紹介した。

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「うちにはコンパという飲み会(または茶話会)があって全員参加で開催しているのですが、あなたも出席可能ですか?」
入社時にそう確認すればよい。同様に「社員旅行」や「経営計画発表会」も全員参加で行っていることを告げて意思を確認すればよい。

「かなり濃い職場なのですね。私は時間内だけの関係を希望します」という人もいるだろう。それはそれで尊重してあげて他社で働いてもらえばよい。

社内行事はすべて全員参加でなければ意味がない、と社長が考えているのなら、それは実現可能だ。会議や発表会といった公式行事だけでなく、時間外で開催される非公式行事についてもそれは可能である。

「いや、勤務時間外まで社員の時間を拘束するのはブラックです」
と考える経営者もいる。地域によっては社員の帰宅の手段がなくなるので飲み会は不可能なところもある。そうした会社では、勤務時間中にお茶菓子でコンパを行えばよい。

稲盛さんの言葉を借りれば「(酒を飲んで)心をさらけだす」のがコンパの主旨である。本来なら酒が望ましいが、酒か茶菓子か、の二択ではなく状況に応じて使い分けていけばよい。

では、A 社のように時間外であれば一切の行事に「参加できない」「参加しない」人がいる場合はどうするか。
そのときは、勤務時間内でやればよい。どうしても時間外になる場合は、その人たちを除いて全員参加を求めていけばよい。その二人だけは特別として「例外」を認める。ただし、その二人だけである。
それ以外の人、およびこれから入社する人は全員参加が当社のルールです、と発表すればよい。一部の例外に全員が引っぱられてはいけない。

ここに「稲盛流コンパ」の写真付き記事がある。
京セラフィロソフィ(哲学)という言葉があるが、その舞台裏には極めて人間的な心のつながりがあった。昭和的と批判されることもあるそうだが、企業哲学を浸透させるために効果的な方法のひとつである。
しかもこの文化が諸外国の関連企業にも輸出されているというのが興味深い。

★プレジデントオンライン
http://president.jp/articles/-/14817