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続・規律をもたらすもの

自分が自分を意のままにコントロールすることが出来たら最高です。

出社前、スターバックスで読書1時間、計画30分。二時間でメルマガ発行配信を終え、その後30分散歩。帰社後、1時間で某プロジェクトの企画書作成、U社長とランチミーティングで1時間すごし、午後からは、1時間で未返信メールを全処理、来客4件をこなした後、2時間、新・ホームページの制作プロジェクト参加。夕食をとったあと、2時間本の原稿執筆。帰宅後、家族団らんでリラックスし、ワイングラス片手に就寝前1時間、読書。明日の「がんばれ社長!」原稿を考えつつ就寝。

こんな理想的な計画をたててみますが、私の場合、自己規律が甘いせいか、10回に一回くらいしか計画通りになりません。
それは、私の能力不足が理由ではありません。計画が無謀かというとそうでもありません。たしかにきついタイムスケジュールではありますが、できっこない計画、というほどでもないのです。では、なぜ出来ないことの方が多いかというと、自己を律する精神が鍛えられていないからだと分析しています。

自己を律するとは、この計画を必ず達成する、という決意の持続が弱いのです。すぐに計画以外のことをやってしまい、計画が有名無実となり、午後を迎えるころには早くも無計画状態になるのです。計画になかったことをやってしまい、計画したことの時間を奪います。

決めたことを必ず守る、という気持ちがどの程度強いかどうかが自己規律というものの実体です。

自分で自分を律することが出来る人は「人財」です。自分で自分を律しようと努力する人は「人材」です。自分で自分を律しようという努力をしない人は「人罪」です。私たちの組織は「人財」と「人材」の集団でいたいもの。「人罪」は不要なのです。

良い会社は、業績が良いだけでなく、自由でのびやかな社風があります。規則やルール、規定のたぐいが少なく、社員に自由裁量の余地がたくさんあります。なぜなら、自己規律できる「人財」が社長のもとに集まってきているからです。その段階では、良き社風も良き業績も維持できます。しかし、やがて自己規律できない人が入社し、そうした人が重要なポストを占めたりすると会社は急につまらなくなります。

先週木曜日号でご紹介した山田工務店(仮名)の山田社長の場合、どれを選んでも正解であり、不正解でもあるという選択に迫られていました。こんなときはどのように判断すれば良いのでしょうか。
まず、先週木曜日号『規律をもたらす』でご紹介して内容をおさらいしてみましょう。

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山田工務店(社員数13名)のE常務は、成績優秀な営業マンでもあります。E君が会社の業績を引っ張ってくれています。でも社長の山田さんはE君のことで頭を痛めていました。それはE君の「遅刻癖」です。朝の打ち合わせの最中に遅れてやってくることは当たり前で、ひどい時には始業後1~2時間して出社してくることもあります。このままではほかの社員に示しがつきません。
山田社長も最初は「仕事で返してくれているからいいさ」と思っていましたが、そろそろ何かの手を打たなければいけない、と思い始るようになりました。

・E君を罰則処分してでも、彼や他の社員にルールを守ることを教える
・個人的にE君の遅刻癖を矯正してやり、何とか罰則は避けたい
・E君と話し合い、E君だけの特例ルールを作ってあげる

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この場合、どれを選んでも正解ですし、不正解でもあります。いや、正解なんていうものがないのかも知れません。こんなときの判断の基準は、規律の文化を作ろうという気持ちを忘れないことです。少なくとも私であれば、E君を処罰します。まず厳重注意し処罰の予告をしてからでも良いでしょう。妥協した小手先の問題解決は未来に禍根を残します。E君には時間を守るということを教え、自分で自分を管理するということを要求し続けるべきです。時間を守るということはビジネスの根本のはず。それが出来ないで、良い仕事が出来ると思う方が無理があるのです。

自己規律できる人を採用し、そうした人を幹部にしましょう。