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残業ゼロ化の取り組みが始まった

働き方の常識が変わった。これまでモーレツに働き、周囲の幹部にもそれを要求してきた経営者が、「残業ゼロ」「残業半減」などの号令を発し始めたのだ。

1兆円企業の日本電産。
同社が創業わずか40年でここまで成長できたのは、ひとえに永守社長の経営力とハードワーク力のおかげと言われている。休みなく働き続けた結果なのだ。観光にも美食にも興味がない永守社長の海外出張は仕事オンリーだそうだ。

ある日のフランス出張はこんな様子だったと新聞が報じた。
朝4時起床。時差8時間の京都本社とメール・電話でやりとりをし、稟議書の決裁を済ませてから、7時過ぎに朝食。車でホテルを出発し、近郊のオフィスや工場を視察し、会議をする。ときには取引先を訪れる。
日が暮れれば現地幹部や取引先との夕食会。

無論、移動時間もメールや書類の決裁にあてる。メール受信は1日に300本、稟議書は多いときで200枚まわってくる。普段は永守社長1人で行動するが、海外出張のときには書類をプリントしたりスキャナーにかける必要があるので、現地でプリンターをかついだ若手社員に同行してもらう。

そんな永守社長の「残業ゼロ宣言」。突然、観光好き、グルメ好きになったわけではないが、会社は2020年までに残業ゼロにすると発表した。まずは京都で最も働きやすい企業にするとも宣言。残業抑制を進めると同時に、会議の短縮や業務の自動化を奨励した。永守社長自身も午後7時までに退社する習慣に改めたという。トップが率先垂範しないと会社は変わらない。

ブラックとまではいえないが、グレーやダークグレーの会社は多い。
このままでは問題ですね、と言うと、「しかし、うちの業界は特殊ですからホワイトなんてムリですわ」とか「うちの規模では残業ゼロだなんてとてもとても」と言い訳する社長がいる。
一度でもブラックの烙印を押されると、会社には人材が集まらなくなると考えておこう。一部の幹部がハードワークしてくれることに甘えていてはいけないのだ。

まずは残業や休日出勤の現状を数字で把握しよう。何年後にはこうする、そのためにはこうする、という計画を「経営計画書」などにも明記し、社員と一緒になって改善に取り組む必要がある。

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