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上手な話の腰の折り方

相手の話の腰を折るためには、「僕のほうがもっとすごいよ」と言って勢いを削ぐのがよい。削ぎたくないのなら、自分が経験した類似体験など語らないほうがよい。

ある酒席での話。メンバーは10人ほどいた。
A 君(35)が最近買ったロトくじで1万円当たったことをうれしそうに話し始めた。銀行の ATM で初めて買って即当選というめでたい話なのでそれなりに盛りあがった。

だが、A 君の話が終わっていないのに、横にいた B 君(45)が話題をさらった。
僕なんか3年前の年末ジャンボで3等が当たって100万円ゲットしたよ。支払いのときには銀行の応接室に通されてアンケートやら書類のサインやらで緊張したなあ」

「え、すごい」と周囲。
さっきまでの A 君の1万円がスケールの小さな話に思えてくる。

すると正面にいた C 君(40)が自分の体験でもないのにこんな話を始めた。
「うちの親父の友人なんかすごいぜ、1億円を2回も当てている。しかも2回ともほとんどおんなじ番号なんだよ」
「えー、そんなことってあるの」と周囲がいっせいに C 君を向く。

反対側にいた D 氏(60)もそれに乗った。
「僕の友人グループには1億当選者が3人もいるよ」

「う~ん、どうにも幼稚な会話だなあ」と思った。これじゃあ武勇伝合戦ではないか。いや、この内容では武勇伝にすらなっていない。
酒席だから他愛のない事としてやり過ごしたが、こうしたことが日常の仕事や生活のなかで行われていないことを期待したい。

結論:話の腰を折るには、相手の話よりすごい話をしてやるに限る。

<追申>
ときどきセミナー受講者に感想を求めたとき、「他でも似たようなことを学びました」などと言われると、その人をみて話す気をなくしますね。本人には悪意がまったくないようですが・・・。