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山形の雄

知る人ぞ知る東北“山形の雄”山忠産業株式会社(高橋忠一社長)。

すごい会社なのだ。

まず、同社のホームページから生い立ちをみてみよう。

昭和58年 5月 トイレ工事専門会社として創業設立
平成 2年 3月 リフォーム市場に本格参入「リファイン山形中央」開設
平成 6年 5月 宅建免許取得 新築市場参入
平成 7年10月 住宅市場に本格参入
平成10年10月 馬見ヶ崎に新展示場開設
平成12年 3月 平成11年度 経常利益 県内法人中 第176位(県内住宅メーカー第1位)
平成13年 1月 馬見ヶ崎にニュー展示場開設
平成13年 4月 ISO9001認証取得(木造住宅の設計・施工及び付帯サービス)
平成13年 6月 本社新社屋・増改築&エクステリアショールーム開設
平成13年10月 本社敷地内にジャスト展示場開設
平成14年10月 大野目ニュー展示場開設

これだけを見るかぎり、創業以来20年間、順風満帆そのものに移る。ところがどっこい、何度も経営危機に陥っているそうだ。多くの会社と同じように、危機と問題と障害の連続だったというのだ。幸いにも先週の金曜日(4月4日)、東北非凡会in仙台において高橋社長のお話しを聞くことができた。

業績が一番悪化した平成7年には、千万単位の赤字を計上し資金難に陥ったという。人材も資金もない、すべてがないないづくしの中、高橋社長は守りに入らず、あえて攻勢に打って出ようとした。

リフォーム専門企業ゆえに、新築受注は年間5棟しかなかったものを本格的に新築住宅を始めると宣言。しかも目標は何と60棟。前年比12倍だ。

「勝負を賭けて発表した。だが誰も信用してくれなかった。いや、それどころではない。最大の抵抗勢力は社内だった。銀行や取引先が信用しないのはわかるが、社内が信用しない。いや、抵抗したのだ。

ムリだ、できない、危ないなど・・。とくに一部の強い抵抗勢力に対しては、『協力してくれなくて良い。だから邪魔はするな。これは決定なんだ。』と言ってまわったことすらある。今までと同じことをやっていては会社はつぶれる。それまでとはすべて逆のことをやらないといけない。それを分からせるべき最大の相手は社内だった。」と言う。

『7年間保証宣言』をした平成10年の時にも反発が沢山でた。
「そんなの非常識だ、大変なことになる」・・・
「殿ご乱心!」とばかり全員が反対した。社長はみなの反対をすべて聞き届け、宣言した。

「みんなの考えはよくわかった。全員が反対なのだな。であれば・・この保証宣言は即刻実施する。明日から必要な行動を始めてくれ、いいな。」と断行した。

ISO9001を取得したときも、審査員から「お宅の現状では半年で取得なんて絶対ムリだ。」と言われた。だが、社内宣言通り半年で取得し、関係者全員が感涙にむせんだという。

今の結果はどうか。

・売上高24億6000万円(平成14年3月期)
・社員数64名
・6年連続経常1億突破(平成9年~14年)
・山形県内ハウスメーカー第一位
・着工棟数県内ハウスメーカー第二位(105棟)

堂々たるものだ。

「負ける戦争はしたくない」とあえて山形一極集中にこだわっての結果ゆえにいっそうこの数字は大したものだ。また、紹介リピート率は55%にものぼるという。クレーム産業といわれる住宅建築業界にあってこの数字は驚異的だ。

「顧客満足なんていうレベルでなく、顧客感動が大切。感動の結果。必然的に高いリピート率になる。」

顧客感動というと、接客サービス面だけを連想しがちだが、高橋社長は商品開発にも心血を注いでいる。どんどん商品を改良してゆくので、半年前、一年前のお客様からお叱りをうけることがあるそうだ。
「それほどまでにして鮮度の良い商品を提供していかないと、感動を与えることはできない。顧客の感動を得ずして何の為の会社経営か。山忠さんすごいねぇ、ってお客様から言われることほど社員のテンションが上がることはない。」

経営の思想・哲学・理念を持ち、リーダーシップをもち、システム的発想ができる、こんな社長と会えた日は、一日中気分がはずむ。

山忠産業株式会社 http://www.yamachu.net/