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経営理念のルーツをみていくと・・・

経営理念がある会社とない会社、おおよそ半々ぐらいといわれる。理念がある会社でも、今の理念に納得している会社は1~2割程度のようで、より適切な理念を求めている経営者は多い。

私が知るかぎり、日本で一番古い経営理念はこれである。

・・・産業人タル本分ニ徹シ、社會生活ノ改善ト向上ヲ圖リ、世界文化ノ進展ニ寄興センコトヲ期ス・・・

これはご存知、松下幸之助氏が昭和4年に制定したもので、氏はこれを【綱領】と呼んだ。

大阪の町工場の域を出ていなかった当時の松下電器(現・パナソニック)にとってみれば、実に壮大に自社のあるべき姿を明示した。言葉だけでなく、心から世界を変えようと思っていたところに企業人としてのスケールの大きさが伝わってくる。

経営理念の原点を松下の【綱領】とするならば、それ以前のリーダーたちにとって理念や綱領に相当するものは何だったのだろうか。

それは、戦国武将が掲げた旗印や手紙の押印や花押にみることができる。

織田信長「天下布武」・・・武力によって天下を統一する
武田信玄「風林火山」・・・孫子の兵法の教えを旗印にした
徳川家康「厭離穢土欣求浄土」・・・仏教用語を旗印にした
上杉謙信「毘」・・・四天王の最強武人・毘沙門天を信仰し、自らをその化身と宣言した

米沢の法音寺に行けば、謙信公が日夜拝んだ毘沙門天像を見ることができる。また、最近になって信玄公はあえて「風林火山」の続きの2文字を隠し、自分だけがそれを活かしていた、という説もあるようだ。

真偽のほどは分からないが、こちらにもその記事がある。
https://www.city.kofu.yamanashi.jp/senior/tsubo/035.html