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生産的な話し合いとは

部門と部門のあいだに横たわるこの厚い壁を何とかしたい。だって、部門間の交流がまったくないから、顧客の情報とかニーズなども共有されない。これでは業績も悪化する。だから、私はあることを考えました、と語るはKさん(40才前半)。この女性社長は、昨年秋に夫の先代社長に先立たれ、とつぜん社長に就任したばかりの経営者一年生。それ以前は専業主婦だったという。

Kさんは、まず社内の現状がどうなっているかを知ろうと、役員3名にお願いして「早朝経営者ミーティング」を開始することにした。新社長のKさんご自慢のエスプレッソコーヒーと手作りパンをふるまいつつ、ひとつの大テーブルを囲んで気軽な雰囲気で話し合うそうだ。

「何しろ先代社長はカリスマ・ワンマンだったものですから、すべてを自分が掌握していた。だから部門間のコミュニケーションが悪くても問題にはならなかったのです。でも、私は先代と同じことをマネできませんので、こうした会話を通して私が勉強することと、相互のコミュニケーションが良くなることとの一石二鳥をねらっているのです。」という。

効果のほどを尋ねると、最初のうちはすごく評判もよくてKさん自身も楽しかったという。ところが3ヶ月も同じことをやっていると、だんだんネタも尽きてきて、時間の無駄という雰囲気も漂いはじめた。そこで、何か知恵はないかというご相談だ。

「ふむ、そうですね。」と前置きして、次のようなお話をした。

数年前にベストセラーになった『なぜ会社は変われないのか』(日本経済新聞社)の著者・柴田昌治氏はオフサイトミーティングなるものを提唱している。
このミーティングは、真面目な話題を気軽な雰囲気で行うことに特色がある。Kさんがやろうとしたミーティングとは、このオフサイトミーティングに近いものではないだろうか。本来は楽しく有益な時間になるはずのものだ。

ところがミーティングがつまらなくなるのは、真面目な話題をくそ真面目な雰囲気でやってしまうときと、その逆に、気軽な雰囲気で、話題までもがお気軽に終始してしまうときだ。それが続くとやがてつまらなくなる。

大切なことは、柴田氏がいう“真面目な話題を気軽な雰囲気で”である。別の表現でいえば、“生産的かつ楽しい”会話ということになる。

「武沢さん、突っ込んでお尋ねしてもよいですか?」
「もちろん、どうぞ。」
「生産的とはどういうことですか?」
「えっ?生産的?」

20秒ほど考えて次のように回答した。

会議やミーティングにおける生産的とは、つぎの三つの条件を満たすときだと私は思う。

1.出席者がいま訴えたいことを、聞いてほしい人に向かって訴えることが出来たとき(参画のよろこび)

2.会話の内容が何かに記録され、あとからそれをいつでも参照できるとき(蓄積のよろこび)

3.会話の内容から何かの結論が生まれ、それが実行されること(実効のよろこび)

Kさんの会社の「早朝経営者ミーティング」は、初期段階では“参画のよろこび”があったに違いない。だがそれは当然のよろこびとなって、新たなものを求めるようになった。それが、今から求められる“蓄積のよろこび”や“実効のよろこび”なのではないか。生産的な会議やミーティングとはそうしたことだと思う、とKさんに申し上げた。

また次回、Kさんからどのような成果の声をきくことができるか、楽しみである。

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