Best of がんばれ!社長  武沢 信行

ベストオブがんばれ社長!社長・経営者を応援する「がんばれ!社長」ベストメッセージ(メルマガ「がんばれ社長!今日のポイント」バックナンバーより選抜公開)

ルールがない会社

      2016/10/28

●そんな当たり前のことがどうして徹底できないの?

いろんな会社を訪れてみて、そう感じることがしばしばある。最近だけでも二つほどあった。

●A社の経理主任(40歳、女性)は社歴20年のベテラン社員。仕事が非常に早くて正確。しかも数字が苦手なA社長にもわかりやすく説明してくれるので、もはや片腕とも思える貴重な存在なのだが、ひとつだけ困ったことがあるという。

●それは、社員旅行や懇親会といった社外での行事に、彼女は一切参加しないのだ。
年末の忘年会にも出ないし、新入社員の歓迎会にも出ないという徹底ぶり。彼女が新入社員のころ、自宅が遠いのを理由にそれを許していたのが今も続いている。最近、そんな経理主任のマネをする後輩社員が何人か出てきて社長は弱っている。一体感が作れないというわけだ。

●このままでいいんですか? 私がそう尋ねると社長はこう言った。

「武沢先生、法律的にはどうなんですか?強制できるのですか?」

私は思わず笑ってしまったが、これは法律の問題ではない。会社独自で決めることなのだ。
社員旅行や親睦会も全員でやりたければ強制参加にすればよいし、強制にするほどでもないのなら自由参加にする。つまり会社が自由に決めるだけのことである。

●するとA社長はこう言った。

「強制参加にしたいのはやまやまですが、忘年会や歓送迎会は勤務時間に入っていません。誰かが欠席しても何のペナルティも与えられませんがどうすればいいのですか?」

●これまた二択である。
ひとつは、勤務扱いにしてしまうこと。そうすれば欠席はすなわち欠勤となって大きなペナルティを被る。
もう一つは勤務扱いにはしないものの、評価の対象項目に入れることはできる。社員旅行や懇親会への参加を加点ポイントとして大きく認めてあげればよいのだ。欠席ばかりしていては、加点がもらえず昇給や賞与にかなり響くとわかれば彼女も再考するだろう。

●要はルール化すればよいだけのこと。だが同時に、人間はルールだけでは縛れない。
なぜ社長としては、そこまでして皆で同じ体験を共有したいのか、という気持ちを率直に語って理解を求めることが大切だろう。特にA主任のように長年、自由参加を許してきた相手にはじっくりと語り合って理解を求める必要がある。

「絶対私は嫌です。仕事が終わったらすぐに家に帰るのが私のポリシーですし、皆さんと一緒に旅行したり宴会するのも嫌です」

もしそんな考えの社員ならば、会社に居てもらう必要は毛頭ないと私は考える。だがA主任のように仕事ができる人なら、きっと理解してくれるはずだ。

●もうひとつのケースは研修受講。

B社は自動車ディーラー。全員が営業数字目標をもち、管理職といえどもプレイヤーも兼ねている。従って顧客とのアポイントが何より優先されることになり、なかなか研修受講が進まない。

●そんな会社の人材開発部では、経営理念を社内浸透させるために今年から全管理者に理念研修を受けてもらうことにした。

支配人クラスの管理職50人が 5班に分かれて研修を行う計画のもと、つい先日 5班までの研修を終えた。ところが、10人が受講できないまま全日程を終了してしまったというのだ。

●受講率100%を目指してスタートしたのに、終わってみたら 80%という結果。このままでは人材開発部の責任が問われてしまう。

「どうすればよいでしょう?」と人材開発部長から相談されたが、それは私にではなく社長に相談すべきことだろう。

●社長がその実態をどう受け止め、判断するかである。
それもまたやむを得ないというのであれば今のままでよいし、何とか改善したいというのならやり方はいくらでもある。

●緩やかにやるなら、研修受講を人事評価の加点ポイントにすれば良いし、激しくやるのなら研修受講は昇進昇格の必須条件に入れてしまえばよい。

●同時に社長から大号令を発してもらうとなお良い。

「社員教育は日常業務に優先させる!」と。
研修のために現場で欠員が出てお客に迷惑がかからないよう、対応策を練っておく必要もあるが、それはなんとでもなる。

●このようにして、社長のこうしたいという意思をルール化してしまえば良いのだ。
社内を改革しようというときに、今までがどうだったかは関係ない。
過去は過去として認めつつ、未来は未来でまったく新しく作っていく。

あの大阪だって市役所をぶっ壊そうとしているぐらいなのだから、会社の仕組みを変えることぐらいリーダーなら易々とできるはずだ。

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