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北京にて

●9月15日(木)、北京和僑会での講演と会食を終えてホテルに戻ったらすでに日付が変わっていた。翌日は事務局の呂さん(東京外大卒、女性)のご案内で北京観光の予定が入っていて、朝9時にはホテルを出発せねばならない。

●睡眠は短かったが深かった。
9月16日(金)朝、呂さんと合流。さっそく北京五輪のメイン会場となった「鳥の巣」へ向かった。

呂さんいわく、「武沢さんのように”鳥の巣”を見たがるのは中国でもおのぼりさんだけで、普通の人は”万里の長城”や”故宮博物館”や”頤和園”などの文化遺産を見たがるもの」だそうだ。

「私はおのぼりさんですから」と笑って開き直った。実は文化遺産のほとんどは五年前に観ているのだ。

●「鳥の巣」は想像していたより大きな競技場で、さすがにあのど派手な開会式をやってのけた場所だけにスケール感充分。
ふと目をこらすと、トラックの上をセグウェイが走っているではないか。私も乗りたいと思い、近寄っていくと20分150元(1800円)で試乗できるという。
「高いですよ、武沢社長」と呂さんに制止されたが、鳥の巣のトラックをセグウェイで疾走できる経験なんて滅多にできない。
私はまよわず挑戦した。呂さんにも挑戦をうながした。セグウェイをなめていたようで、微妙な体重移動で前後左右に走る。慣れないうちは何度もころびそうになった。やがて慣れると縦横無尽に鳥の巣のトラックを走り回った。

●同じ敷地に水泳競技が行われたプールがある。鳥の巣とセットの見学で100元(1200円)なのだ。

北島康介選手が日本中を興奮させた美しいプールで記念写真をとり、外へ出たらミッキーとミニーがいた。
もちろんソックリさんなのだが、ブラブラとひまそうにしているのでカメラを向けたら機嫌良くポーズをとってくれた。ツーショットでの撮影をお願いしたら、ダンスのポーズや肩を組む仕草など気安く応じてくれる。全部で五枚ほど撮影し「謝謝!」と言って去ろうとしたら、人差し指をクロスして私に示した。
「どういう意味?」と呂さんに尋ねたら「10元要るみたいです」とのこと。財布から10元を出して渡したが「なんだ、ビジネスか」と気分はシュンとなった。

★Facebook(鳥の巣でセグウェイ&ミッキーそっくりさん)
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●飲茶ランチを済ませたあとは、天安門から故宮博物館へ向かう予定。
だが、その前に「ASAKURA」(朝倉禅社長)を見学することにした。
北京でも屈指の人気美容室で、オーナーの朝倉さんご夫妻は北京和僑会のメンバーでもあるそうだ。
このお店には有名なタレントさんがカットに訪れるなど、北京ッ子にとってもカリスマ美容室として有名で、私もかねてより見学したいと思っていた。
アポも取らずに突然の来訪、しかも写真を撮りたいという一方的なお願いにもかかわらず、和僑会の縁でご丁寧に店内を案内していただいた。

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●「ASAKURA」訪問を終え、タクシーを拾うために道路の反対側に渡ったら、そこがスマップ北京公演の会場前だった。
「あっ、ここで今夜の公演があるんだね」と私が言うと、「スマップの公演チケットはネットでも高騰しているそうですよ」と呂さん。

「それに武沢社長には今夜、京劇を観ていただくためのチケットをすでに購入済みですからね」と釘をさされた。

●別にスマップが観たいわけではないが、たぶん今ごろこの会場近くにスマップがいると思うと悔しい気分だ。
やがて、自分でも予想していなかった言葉が口から出た。

「呂さん、すまないがスマップのチケットを何とか入手してくれませんか?京劇はいつでも観られるが、北京のスマップは今夜しかない」

●「え~、今からですか。そんな無茶な」と言いながらもあちこちに電話をしていた呂さんは、10分後に「チケットが買えます」と言った。

1950元(23,400円)の席か、385元(4620円)の席のどちらかだというので安い方を二枚手に入れてもらい、呂さんにも同行をお願いした。
すると、二枚で600元にするという値切り交渉までやってのけてくれた呂さん。彼女のような秘書がいたら社長は楽だろう。

●「まさか本当に買えるとは・・・」
興奮さめやらぬ気分で故宮博物館をサラッと回り、ホテルに戻った。
ちょうど60分ある。シャワーを浴びて仮眠をとり、午後6時、再びホテルを出発した。
コンサート会場に着いたのは開演1時間前の18時半だった。会場となった「北京工人体育場」ではこれまでも有名アーチストのライブが行われているところ。
会場の内外の警備はものものしい。まっ黒のスーツに身を包んだ屈強な警備員が身じろぎもせずにスタンドを監視し、間違っても騒動を起こさせない雰囲気が場内のムードを硬くしていた。

●ところが、やがてステージ中央のスクリーンにスマップの面々の顔写真や動画が大写しされると一気に場内のボルテージが高まっていく。

ついに定刻になった。舞台の袖から地球をあしらったかぶり物をつけたスタッフが次々に舞台にあがっていく。場内がざわつく。20人以上は壇上に登っただろうか。
それぞれが、ゆるいキャラクターで統一感もないまま、ただステージを行ったり来たりしている。

●やがてジャーンという大音響と同時に楽曲がスタートした。先ほどまでのゆるキャラの面々は、かぶり物をつけたままでダンスパフォーマンスを開始。一糸乱れぬダンスだ。「かっこいい!きっとこの中にスマップがいる」と誰もが思った。

●その瞬間、かぶり物のダンサー達はステージ後方に下がる。そして突如、舞台中央から猛スピードでせり上がってきたのが、ゴールドのスーツに身を包んだスマップ五人組だった。圧倒的な存在感で三曲を歌って踊る。それをみて、私も鳥肌が立った。場内のボルテージはすでに最高潮に達している。

●スマップの曲には分かりやすいメッセージがある。また、曲の合間のトークには、日中友好を思い切り意識した会話が多く、日中両国政府の期待に配慮したステージになっていた。その分、一人一人のアクが抜けていたような気もするが、国賓級のアーチストなのだから今回はこれが最高のパフォーマンスなのだと思う。

●台湾のトップモデル・リンチーリンさんがサプライズ出演するなど正味2時間半におよぶステージはお値打ち感たっぷり。
日本でもコンサートがあれば見に行きたくなったほどである。もちろん、今まで一度もみたことがないスマスマ(SMAP×SMAP)も録画した。

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●今回の北京では、和僑会の本多会長や迫副会長にお世話になった。
また呂さんには丸二日間おつきあいいただき、大変感謝している。
本多会長の新店(アジア最大級のゴルフバー)が来年オープンする予定だというので、またその頃に、お祝いをかねて北京を訪れたい。