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創造性を促すには

スコップで地面に穴を掘らされる。やっとの思いで「堀れた!」と喜んでいると、「その穴を土で埋めろ。」といわれる。埋め終わったら、「また掘れ」「また埋めろ」。それを何回・何十回とくり返すという拷問があるそうだ。これはきっと辛いに違いない。肉体がやられる前に気持ちがやられてしまう。

この話しをU社長にして差し上げたところ、

U:「武沢さん、それに似た刑罰や拷問はいろいろと知っている。例えば・・・・・・・(約10分の話省略)と、私が知ってい   るだけでもこんなに沢山の刑罰があるんだね。」
武:「社長、よくそれだけご存知ですね。」
U:「いや、でもこんな刑罰をやっている国は今ではほとんどないはずだよ。」
武:「たしかに。でもそれに近いことは日常的に行われいると思いませんか?」
U:「・・・」

今の仕事に何かの価値を感じ、使命感をもつことができれば、私たちは自らすすんで努力し、最善を尽くそうとがんばる。今の仕事に目的や価値を見つけられないと、スコップの穴掘り拷問のように心が参ってしまうだろう。

優れた経営者は、折にふれて我社の価値や使命感を社員に語ろうと努力する。そうすることによって、社員が活き活きと創造的に、そして元気に働いてほしいと願っているのだ。

ハーバード・ビジネス・レビュー2003年1月号に「時間的制約は創造性を高められるか」という論文がある。この内容は、非常に興味深く、創造性と時間との関係に一石を投ずるものであるが、印象的な要点だけをピックアップしてみたい。

同論文の個人的要約

・時間的なプレッシャーが高い状態よりも、低い状態のときのほうが創造的仕事ができやすい。
・従って、締切りや納期に終われたほうが良い仕事ができるというのは誤りである。
・現代のビジネス環境は、経営者だけが時間に追われていると思うのは大間違いだろう。むしろ従業員のほうが、創造性を発揮す る環境という面で最も不利な環境にあることを理解しよう。
・だが、時間的プレッシャーを低くしてあげれば、それだけで創造性が保てるわけでもない。
・逆に言えば、時間的プレッシャーが高くても創造性を保つための知恵や工夫がある。それこそが管理者の力量である。
・例えば、イノベーション製造工場ともいうべき米国「3M」社では従業員の一週間の労働時間のうち15%を創造的活動に充てる ことを決まりにしている。
・また、時間の圧力だけでなく、創造的仕事を阻害する要因は他にもある。たとえば、「トップからの創造性を期待されていな  い」「ミーティングは全体でのみ行われ、個人間では少ない」「計画や日程の変更が多い」「仕事が中断・分断することが多  い」「共同作業よりも個人作業が多い」など。
・管理者はどうすべきか・・・(明日に続く)

明日まで待てないとか、この機会にじっくり研究したい方は「ハーバード・ビジネス・レビュー2003年1月号」を読まれると良い。