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居眠りするワケ

●かれこれ20年になるだろうか、ハンドルを握らなくなって久しい。
「エコですか?素晴らしい!」と言われるが、真相はそうではない。
ハンドルを握ると眠くなるからである。車の運転は性に合わないようで、運転中に何度 “ヒヤリ・ハット”したことだろう。

●ある経営者とそんな話をしていたら、「武沢さん、私なんぞほぼ毎日会社で居眠りですわ。ウワッハッハッ!特に昼食のあとが一番ウトウトするからやっかいですわ。いったん眠くなるともうあきません。
我慢はかえって身体に毒やから、いびきかいて爆睡ですわ。ワッハハ」とおっしゃる。

それはたぶん、眠くなるような仕事をしているからではないだろうか。

●先日、ある本を読んでいたら建築家の安藤忠雄氏の談話が載っていた。なるほど、我が意を得たり。
すぐにそのページをコピーしてその社長にFAXして差し上げた。
「この本を買って読みなさい」と。

それはこんなくだりである。

・・・
車の運転でもそうですが、ノロノロ運転していたら眠くなってぶつかりますけど、時速150キロで走っていれば居眠り運転なんかしないでしょう。

これは大企業でも、25人ほどの私の事務所でも同じで、リーダーは目標を明確にして、それに向けて可能な限り全力疾走していれば、緊張感があるからそんなに失敗しないと思うんです。

やっぱり居眠りができるような中途半端な走り方では駄目です。

(中略)

特に若い人には、本気で仕事をするとはどういうことかを体感するためにも、全力疾走するリーダーになれと僕は言いたいですね。

(『致知』2003年11月号)
・・・

●全力疾走に居眠りなし。

車でも仕事でもノロノロ走っているから眠くなるのだとガツーンとやられる思いがする。しかも発言の主は”世界の”安藤忠雄なのだから、言葉のバックグランドが違う。私もFAXしたあと、自分の手帳に抜き書きした。

●ちなみにその本は、『一流たちの金言』(致知出版社)という。

致知出版社が発行する日刊メルマガの中から藤尾秀昭編集長(社長)がセレクトし、監修した金言が26編紹介されている。

金言の主は、安藤忠雄、王貞治、道場六三郎といった著名人から、漆芸家の人間国宝、プロ棋士、料理評論家、作家、経営者、女優、教育者、タレントなど、各界の達人ばかり。

●一番最後のエピソードなど、感動で涙なくして読めない作品も好きだが、私はたんたんと自分のことを語っておられる王貞治さん、道場六三郎さん、大場松魚さんなどの話が心に響いた。

経営者はもちろんだが、若い社員や学生、あるいは子供にも読ませてあげたい。

★一流たちの金言 (藤尾 秀昭 監修)
→ http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=2981